授業科目名 配当年次 開講期間 所要単位 必修・選択 担当者名
教育法規 3 後期 2 選択 中嶋 哲彦


【授業の目的と概要】

日本の教育法規の基本原理と法体系概要を理解し、その意義と問題点を考察する。その際、公教育の基本原理の理解を基礎に、教育法規の歴史的展開を知り、近年における教育制度改革や教育政策の展開と教育法規の連関とその意味を考察する。また、教育裁判、教育改革、学校事故などの事例を素材にし、そこにいかなる問題があるかを発見し、法的・制度論的視点で考察する。さらに、日本の教育法規の基本原理を知り、それらが教育制度や教育実践にどのような意味をもち、またそこにはどのような課題があるかを理解する。

【授業の方法】

本科目は講義形式で実施するが、授業中にディスカッションやグループワークを行う。

【各回のテーマ】

第1回 学校と生徒の実態:教育法規の視点から

第2回 近代公教育制度の成立と展開

第3回 教育を受ける権利の保障

第4回 教育費の負担と経済的支援

第5回 義務教育と中等教育

第6回 教育の目的・目標と教育課程

第7回 教科書の検定・採択・使用及び無償給与

第8回 教員の職務と身分(養成・採用・研修)

第9回 学校経営及び地域との連携

第10回 学校における生徒の地位と教育的処遇

第11回 学校の福祉的機能

第12回 学校の設置・管理と地方教育行政制度

第13回 国の教育政策と教育行政

第14回 今日の教育問題と教育改革

第15回 教育法規をめぐる諸問題と課題の考察

【各回の内容】

第1回 日本の学校と生徒の実態と課題を知り、教育法規の意義を考える。

第2回 近代公教育制度の原理と成立過程を概観しつつ、現行教育法規の基本原理と法体系の構造を知る。

第3回 日本国憲法に定める教育を受ける権利の法的意義を、日本の教育制度の実態や国際教育法規の現状に照らして考える。

第4回 教育を受ける権利の保障の経済的側面について、教育費の公私負担区分や私費負担の実態に照らして考える。また、経済的困窮層に対する経済支援制度について知る。

第5回 教育基本法及び学校教育法に定める義務教育の原理と制度について知る。また、中等教育に関する教育法規について知る。

第6回 教育基本法及び学校教育法に定める義務教育の目標、各学校の目的、教育目標を概観しつつ、教育課程基準に関する教育法規の概要を知る。

第7回 教科書の使用義務、検定制度、採択の所在及び義務教育諸学校に関する教科書無償制度を知る。

第8回 教員の養成・採用・研修に関する教育法規を知る。また、教員の勤務実態と教員法制に照らして、教員の職務と身分保障について考える。

第9回 学校経営における校長及び教員の地位と役割について知る。また、学校運営委員会制度や学校評議員制度を概観しつつ、学校と地域の連携の在り方を考える。

第10回 学校における児童生徒の地位と教育的処遇に関する教育法規を知る。その際、学校安全・学校保健に関する教育法規の概要を知る。

第11回 学校の福祉的機能に関する教育法規の概要を知る。その際、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの他専門職や、児童相談所や医療機関などの他機関及び地域との連携も扱う。

第12回 学校の設置者管理主義・設置者負担主義の意義と制度の実態を知り、公立学校の設置管理に関して地方教育行政制度を知る。

第13回 国の教育行政機関及びその権限と役割について知る。また、教育行政における国と地方公共団体の関係を知る。

第14回 今日の教育問題を教育法規の視点から考えるとともに、今後における教育改革の課題を考える。

第15回 本講義で学んだ基本原理に照らして、日本の教育法規の問題点と課題を考察する。

【事前・事後学習】

事前学習として、授業内容に関連する教育法規の指定する条文を精読し、その概要を理解してする(2時間/週)。

事後学習として、授業内容を整理して理解を深めるほか、授業中に与える課題に解答を作成する(2時間/週)。

【課題に対するフィードバックの方法】

課題に対する解答例を授業で配布するほか、授業内容に関する理解が不十分と思われるときは、必要な学習について授業内で全体に、または授業後個別に指導する。

【授業の到達目標】

日本の教育法規の基本原理と法体系概要を理解する。

公教育の基本原理の理解を基礎に、教育法規の歴史的展開を知る。

近年における教育制度改革や教育政策の展開と教育法規の連関とその意味を考察する。

教育法令集や教育判決など、教育法規を学習するための基本的なツールが使えるようになる。

政府の基幹統計や中教審答申などの政策文書を読んで、教育の現状や政策動向を理解する。

【評価割合 - 筆記試験《%》】
【評価割合 - 実技試験《%》】
【評価割合 - レポート《%》】
60
【評価割合 - 平常評価(授業への参加・貢献度)《%》】
【その他(授業内課題等)《具体的内容》】

1 授業期間中に与える課題に対する提出物

2 授業時間中の行うグループワークや調べ学習の成果物

【評価割合 - その他(授業内課題等)《%》】
40
【テキスト】

『テキスト教育と教育行政』(勁草書房)

【参考図書】

『教育小六法』2019年版(学陽書房)

『教育法の現代的争点』(北樹出版)