授業科目名 配当年次 開講期間 所要単位 必修・選択 担当者名
教育史 3 後期 2 選択 吉川 卓治


【授業の目的と概要】

 この授業では、近現代日本における教育の歩みを、模索期、成立期、確立期、展開期、戦時期、戦後期の六つに時期区分し講義形式で概説する。模索期では幕末から維新期の動向を扱う。成立期では「学制」から森文政期までを講じる。確立期では第2次・第3次小学校令を扱い義務教育の成立過程を中心に論じる。展開期では大正期の教育改革を説明し、戦時期では国民学校など、戦後期では教育基本法・学校教育法とその下での新学制の成立からその後の展開について説明する。

【授業の方法】

講義形式で行なう。

【各回のテーマ】

第1回 イントロダクション

第2回 武士の学校/庶民の学校ー模索期

第3回 立身出世をめざす教育ー成立期(1)

第4回 学校なんかいらないー成立期(2)

第5回 暗殺された文部大臣ー成立期(3)

第6回 教育勅語の登場ー確立期(1)

第7回 学校・地域・国家ー確立期(2)

第8回 義務教育のはじまりー確立期(3)

第9回 ゆとりか、学力かー展開期(1)

第10回 大正デモクラシーと教育改革ー展開期(2)

第11回 トットちゃんはどう育ったかー展開期(3)

第12回 戦争と教育ー戦時期

第13回 戦後教育改革ー戦後期(1)

第14回 教育はどうかわったかー戦後期(2)

第15回 試験と試験の解説

【各回の内容】

第1回 授業の目的、概要、到達目標、事前・事後学習、成績評価の基準、評価方法、テキスト、参考文献について概説する。

第2回 近世社会の特徴、近世の学校(寺子屋、藩校、昌平坂学問所、塾)についてその特徴を説明する。

第3回 1872年に発布された「学制」の成立過程、理念、内容、特徴および同時期の教育状況を説明する。

第4回 1879年の「教育令」の制定と教育状況およびその改正について社会や家庭の教育要求の観点から説明する。

第5回 初代文部大臣の森有礼についてその思想と彼の行なった教育改革について学校令を中心に説明する。

第6回 教育勅語の成立過程と内容について説明する。

第7回 地方自治制度の整備とそれにともなって1890年に出された第2次小学校令の内容と特徴について説明する。

第8回 1900年の第3次小学校令によって成立した義務教育制度の内容と国定教科書制度、教育年限の延長について説明する。

第9回 沢柳政太郎の取り組みを軸にゆとりか学力かをめぐって揺れる教育政策の動向を説明する。

第10回 大正期に政府によって設置された臨時教育会議での審議内容とそれに基づく教育改革について説明する。

第11回 大正デモクラシーの影響を受けて展開された新学校での実践と思想について家庭や社会の動きを押さえつつ説明する。

第12回 1930年代における戦時体制への移行と教育審議会、教育刷新評議会について説明し、青年学校令および国民学校令の制定とその内容を説明する。

第13回 1945年の四大教育指令、第一次米国対日教育使節団報告書、教育基本法、学校教育法について説明する。

第14回 戦後新教育の展開について説明する。

第15回 試験を行ない、終了後に試験の内容について解説する。

【事前・事後学習】

事前学習:1時間程度の時間をかけ毎回の授業内容に対応するテキストの章・節を読んでおく。

事後学習:2時間程度の時間をかけて、授業時にとったメモと教科書を参考に、資料プリントを使って授業の内容をノートに整理する。

【課題に対するフィードバックの方法】

毎回の小テストは授業時間内に解説し回収したうえ点検して次回返却する。

筆記試験は試験後に解説する。

【授業の到達目標】

教育史に関する授業の内容をノートにまとめることができる。【2019教育学部DP(1)】

教育史に関する基礎的な知識を身につけている。【2019教育学部DP(1)】

教育史の流れを簡潔に説明できる。【2019教育学部DP(2)】

【評価割合 - 筆記試験《%》】
70%
【評価割合 - 実技試験《%》】
0
【評価割合 - レポート《%》】
0
【評価割合 - 平常評価(授業への参加・貢献度)《%》】
30%
【その他(授業内課題等)《具体的内容》】

【評価割合 - その他(授業内課題等)《%》】
【テキスト】

江藤恭二監修『新版 子どもの教育の歴史』名古屋大学出版会、2008年

【参考図書】

加藤詔士ほか編『西洋世界と日本の近代化―教育文化交流史研究―』大学教育出版、2010年

久保義三ほか編『現代教育史事典』東京書籍、2001年