授業科目名 配当年次 開講期間 所要単位 必修・選択 担当者名
家庭科教育法 3 前期 2 選択 正保 正惠


【授業の目的と概要】

 家庭科の目標である生活文化の継承、民主的な家庭づくり、環境への配慮に関して、先行授業分析を行いながら新たに身につけるべき指導方法を学ぶ。これらを踏まえ、指導案を書き模擬授業を行い、授業に対する相互評価を行うことで学生同士のコミュニケーションを大切にするグループワークの方法も身につける。演習形式にて進めていく。

【授業の方法】

目標に照らして講義、グループディスカッションによるグループワーク、プレゼンテーションとしての模擬授業との評価を行う。

【各回のテーマ】

第1回 オリエンテーション 講義の概要

第2回 家庭科は身近で奥が深い(授業分析(1))

第3回 正しい答えは一つではない(授業分析(2))

第4回 自分の生活の役に立てる(授業分析(3))

第5回 何が公正なのかを問う(先行授業分析(4))

第6回 生活の中の教材(教材研究)

第7回 指導方法(1)ロールプレイングの技法

第8回 指導方法(2)バズセッションの技法

第9回 指導方法(3)食育と実験・実習の技法

第10回 指導方法(4)生活環境を整える実験・実習

第11回 授業評価

第12回 授業づくり(1)(「家族」の指導案)

第13回 授業づくり(2)(「食生活」の指導案)

第14回 模擬授業(1) (「家族」の実践学習)

第15回 模擬授業(2) (「食生活」の実践学習)

【各回の内容】

第1回 小学校家庭科の目標、指導要領を解説し、教科書を概観するとともに講義全体のアウトラインを説明する。また、指導案についての説明を行う。

第2回 家庭科は子どもが好きな科目のベスト1(女子)ベスト2(男子)にもなっているように、自分自身の生活に関連した学びができる科目である。面白い科目をどう教えるか、考える。

第3回 家庭科は数学などと違って、必ずしも正しい答えが1つとは限らない。個人の嗜好や経済条件などによって選択していくことを間暗部教科でもある。

第4回 「気づく」「考える」「実行する」ことで、より良い生活をめざすことができることをどう伝えるか、教師自身の生活実践も問われることを知る。

第5回 家庭科は以前は女子のみに教えられていた歴史があるが、今日では男女共同参画をめざして男女で学び、また子どもの権利条約や高齢者や障がい者のために何ができるのか考えることも必要である。

第6回 教師に求められる専門的力量は、授業構成力、即興的判断力とともに教材開発力がある。身近な題材を活かしながらどのような教材を作っていくのか、学ぶプロセスを描きながら教材開発を考える。

第7回 家庭生活を大切にする心情を育てるためには、ロールプレイングは効果的な方法である。実践しながらその技法を身につける。

第8回 バズセッションは、6-6セッションとも呼ばれ、ある課題をグループで話し合いをして結論を出し、それをクラス全体で発表して意見をまとめていく技法である。実践しながら技法を学ぶ。

第9回 実験・実習の技法について、実際の実習を例にしてその事前の準備・事後の片付けも含めて実践し、技法を身につける。

第10回 実際に掃除の手順と意思決定、実践、評価をグループワークで行い、授業に繋げる。

第11回 授業を行うときには、必ず評価方法についても検討をしておく必要がある。どのような観点で評価するのか、家庭科の独自性を活かす評価方法を学ぶ。

第12回 あらかじめ個人で書いた「家族」についての指導案をもとに、グループで話し合いごループごとに一つの指導案にまとめていく。

第13回 あらかじめ個人で書いた「食生活」についての指導案をもとに、グループで話し合いごループごとに一つの指導案にまとめていく。

第14回 第12回で作成した指導案に基づき、実践を行う。そしてお互いに評価しあうことで実践の力を高める。

第15回 第13回で作成した指導案に基づき、実践を行う。そしてお互いに評価しあうことで実践の力を高める。また、全体のまとめと試験を行う。

【事前・事後学習】

家庭科指導法では、具体的に内容を理解するための配布プリントを事前に予習する(各1時間)。また、授業について内容を理解したうえで指導案を書く(約5時間)。また、授業のための準備を行う(約3時間)。さらに、事後評価を行う(約1時間)。そのため、事前に予習をしながらの宿題、事後に評価を交えての宿題を課す。

【課題に対するフィードバックの方法】

提出されたレポートは、添削を行い返却する。指導案についても、添削する。評価票についても、最後に返却する。

【授業の到達目標】

小学校における家庭科の学習内容を理解できている。【2018教育学部DP(1)】

小学校家庭科の目標と評価を踏まえた指導案が書け、授業ができる。【2018教育学部DP(1)】

家庭科で求められている指導法を理解し、実践できる。【2018教育学部DP(3)】

小学校家庭科にかかる背景知識、小中連携の重要性を理解できている。【2018教育学部DP(1】

【評価割合 - 筆記試験《%》】
50
【評価割合 - 実技試験《%》】
0
【評価割合 - レポート《%》】
20
【評価割合 - 平常評価(授業への参加・貢献度)《%》】
10
【その他(授業内課題等)《具体的内容》】

指導案作成、模擬授業、評価票作成

【評価割合 - その他(授業内課題等)《%》】
20
【テキスト】

多々納道子・伊藤圭子編著『実践的指導力をつける家庭科教育法』大学教育出版,2018

『新しい家庭5・6』東京書籍

『小学校学習指導要領解説 家庭編』文部科学省

【参考図書】

適宜配布予定