授業科目名 配当年次 開講期間 所要単位 必修・選択 担当者名
道徳教育の理論と方法 3 前期 2 選択 丹下 悠史


【授業の目的と概要】

この授業は、①道徳教育に関する理論の学習(代表的理論の紹介・日本の道徳教育の歴史・諸外国の価値教育)、②道徳の授業例の紹介(構成的エンカウンターゲーム・ロールプレイ・モラルジレンマ・ディベート)、③道徳の授業案の作成と模擬授業の実施、の3つから構成される。授業のなかで受講生自身が道徳的価値・道徳的判断力・道徳的感受性を身につけるとともに、先達の理論や指導案を参考にしながら、それを子どもたちに効果的に伝達していく方法について学ぶ。受講生をひと班6名程度の班にわけ、主にグループワークを用いて授業を進める。以上の内容を講義形式で行う。

【授業の方法】

講義形式で行う。授業の内容に応じて、ディスカッションおよびグループワークを取り入れる。

【各回のテーマ】

第1回 本授業の概要、道徳の学習経験の振り返り

第2回 道徳の本質・道徳とは何か

第3回 子どもの成長と道徳性の発達

第4回 道徳教育の歴史(1)

第5回 道徳教育の歴史(2)

第6回 子どものモラルをめぐる課題

第7回 道徳科の指導(1)

第8回 道徳科の指導(2)

第9回 道徳科の指導(3)

第10回 主体的な学びに向けた道徳科の指導計画(1)

第11回 主体的な学びに向けた道徳科の指導計画(2)

第12回 主体的な学びに向けた道徳科の指導計画(3)

第13回 道徳科における新しい教育課題

第14回 海外における道徳の教育

第15回 本授業のまとめ

【各回の内容】

第1回 はじめに講義の趣旨、内容、評価等について説明する。また、道徳教育とは何か、 そもそも道徳とは何かといった基礎的な問いを、受講生各自の経験を振り返りながら考える。

第2回 道徳的価値とは、道徳的であるとはどのようなことか、道徳と法やルールには違いがあるかを、哲学や倫理学の知見を手がかりにして考察する。

第3回 教育の受け手である子どもの道徳性の発達を、社会学や心理学の知見を手がかりにして考察する。

第4回 明治期〜戦時期における日本の道徳教育の形態や方法を理解し、現在の道徳教育との共通点や相違点を考察する。

第5回 戦後の道徳教育の形態や方法を理解し、道徳教育の今日的課題について議論する。

第6回 いじめ・子どもの荒れ・青少年の犯罪といった子どものモラルをめぐる諸問題を理解し、現代の子どもや子どもを取り巻く環境について考察する。

第7回 中学校の学習指導要領の道徳に関する記述を吟味し、目標・内容・教育活動全体を通じた指導といった道徳教育の位置づけを理解する。

第8回 道徳科の具体的な授業方法を理解し、それぞれの指導法の特徴を考察する。

第9回 道徳科の学習過程の分析・評価方法を学び、これらによる授業改善についての基礎的な知識・技能を獲得する。

第10回 道徳科の指導計画の作成に向け、教材解釈とその授業設計への活用の仕方を学ぶ。

第11回 道徳科の指導計画の作成に向け、発問構成および指導過程の計画の仕方を学ぶ。

第12回 道徳科の指導計画を作成し、模擬授業を行う。

第13回 情報モラル・生命倫理・社会の持続可能な発展といった、道徳教育における現代的課題を理解し、学校段階にそくした実践の方法を考察する。

第14回 市民性教育、価値教育等、海外における日本の道徳教育に相当する教育実践を学び、その意義や課題を考察する。

第15回 これまでの学修内容を振り返り、期末試験に向けて課題を明確化する。

【事前・事後学習】

事前学習として、テキストまたは参考書から次回の講義内容に関連する箇所を指定し、当日までに2時間程度の学習(読解・要約)を課す。

事後学習として、講義の終わりに提示した問いに対し、授業内容およびテキスト、参考書を参照して2時間程度で自分なりの解答をまとめることを課す

【課題に対するフィードバックの方法】

毎回の授業で回収するコメントシートを適宜授業において紹介する。

期末の筆記試験は、実施後、共有フォルダに解答例と解説を示す。

【授業の到達目標】

道徳及び道徳性に関する諸理論、道徳教育の歴史や意義を説明できる。【2017教育学部DP(1)】

学校教育における道徳教育の位置づけ、内容、今日的課題を説明できる。【2017教育学部DP(1)】

現代の子どもの特質を理解した上で道徳教育の視点から望ましい関わり方を提案できる。【2017教育学部DP(2)】

道徳科の授業を計画したり、既存の実践を評価し自らの見解を述べたりすることができる。【2017教育学部DP(3)】

【評価割合 - 筆記試験《%》】
50
【評価割合 - 実技試験《%》】
0
【評価割合 - レポート《%》】
0
【評価割合 - 平常評価(授業への参加・貢献度)《%》】
20
【その他(授業内課題等)《具体的内容》】

授業内課題(学習指導案の作成、模擬授業など)

【評価割合 - その他(授業内課題等)《%》】
30
【テキスト】

文部科学省、小学校学習指導要領

文部科学省、小学校学習指導要領解説

【参考図書】

田中智志・橋本美保監修、松下良平編著、道徳教育論、一藝社

松下良平、道徳教育はホントに教育的か?、日本図書センター