授業科目名 配当年次 開講期間 所要単位 必修・選択 担当者名
保育内容(健康) 2 後期 2 選択 安本 卓也


【授業の目的と概要】

領域「健康」は、「健康な心と体を育て、自ら健康で安全な生活を作り出す力を養う」ことを目指すものである。領域「健康」のねらい及び内容について背景にある専門領域と関連させて理解を深め、幼児の発達に即して主体的・対話的で深い学びが実現する過程を踏まえて、情報機器及び教材の活用法等も理解しながら、具体的な指導場面を想定した保育を構想する方法を身に付ける。

【授業の方法】

講義・実技形式で行う。授業の内容に応じてディスカッション及びグループワークを取り入れる。

【各回のテーマ】

第1回 健康および領域「健康」の意味

第2回 健康にかかわる幼児の生活実態と今後の課題

第3回 幼児の身体・運動面の発達的特性 形態面・機能面において

第4回 運動遊びの意義―幼児の発達と遊びの楽しさ

第5回 運動遊びに関する指導計画、指導案の作成

第6回 運動遊びと保育者の援助Ⅰ 固定遊具、鬼遊び

第7回 運動遊びと保育者の援助Ⅱ ボール遊び、かけっこ・リレー

第8回 運動遊びと保育者の援助Ⅲ なわとびや竹馬遊び

第9回 健康・安全に関する生活習慣指導 発達的・自律意義

第10回 生活習慣に関する指導計画、指導案の作成

第11回 清潔および病気の予防の指導・模擬保育

第12回 衣服の着脱および片付けの指導・模擬保育

第13回 排泄および安全の指導・模擬保育

第14回 栄養・食事の指導・模擬保育

第15回 本講義のまとめ

【各回の内容】

第1回 一般的な健康の定義について概説し、幼児の場合はどのように捉えたらよいのか具体的な事例を挙げて説明する。また領域「健康」とはなにかを、保育の基本の視点から理解できるようにする。

第2回 幼児が生活する環境がはたして幼児の健康にとって望ましいものかどうか、生活面での問題点を具体的に示しながら検討する。また何が課題かを明確にする。

第3回 乳幼児の発育・発達と関連させながら概説し、形態面の発達的特性を明確にする。また身体・運動機能面について、神経機能や循環機能、消化排泄機能など、機能面の発達的特性についても明確にする。

第4回 運動遊びの中で、幼児は何を身に付けているのか。最も重要なのは意欲の根幹である充実感を得ることである。そのためには幼児が遊びに感じる楽しさの変化を知り楽しさを追究する指導のあり方を学び説明できるようにする。

第5回 乳幼児の発育・発達を踏まえた上で、運動遊びに関する指導計画や指導案の作成方法を理解する。

第6回 ブランコやすべり台、ジャングルジム、総合遊具など遊具を使った遊びや鬼遊びをビデオや保育事例を参考に年齢に応じてどのように指導したらよいのか説明する。

第7回 ボール遊びやかけっこ・リレーについて、ビデオや保育事例を参考に年齢に応じてどのように指導したらよいのか説明する。

第8回 なわとびや竹馬を使った遊びについてビデオや保育事例を参考に年齢に応じてどのように指導したらよいのかを説明する。

第9回 健康・安全に関する生活習慣を身に付ける発達的意義について学び、指導のあり方について明確にする。また生活習慣を幼児自らが意欲を持って取り組む自律的獲得ができるようにするには、どのような指導や配慮が必要かについて明確にする。

第10回 乳幼児の発育・発達を踏まえた上で、生活習慣に関する指導計画や指導案の作成方法を理解する。

第11回 手洗いやうがい、歯磨きなどの清潔の指導についてビデオや保育事例を参考に年齢に応じてどのように指導したらよいのかを説明し模擬保育を行う。

第12回 着替えや片付けの指導についてビデオや保育事例を参考に年齢に応じてどのように指導したらよいのかを説明し模擬保育を行う。

第13回 排泄についてはとくに排泄後の処理やトイレの使い方やマナーなどを中心にビデオや保育事例を参考にどう指導したらよいのかを説明し模擬保育を行う。

第14回 食事指導については好き嫌いや少食への対応だけでなくいわゆる食育として心を育てるにはどうすればよいかなどをビデオや保育事例を参考に説明し模擬保育を行う。

第15回 幼児自らが意欲的に取り組むことができる運動・健康・安全指導における保育者の役割を理解することを確認する。

【事前・事後学習】

毎授業前までに次週で扱うテキストの章(またはページ)で興味をもった事柄やわからない字句,内容を調べる(2時間程度)。

授業の中でわかりにくかったこと,テキストや配布資料で疑問となったことは授業担当者に尋ね、参考書などで調べる(2時間程度)。

【課題に対するフィードバックの方法】

課題に対するレポートについては、まとめて翌週フィードバックし、全体で共有する機会を持つことで理解を深める。

【授業の到達目標】

領域「健康」のねらい及び内容並びに全体構造を理解し、幼児が経験し身に付けていく内容と指導上の留意点を理解できる。【2018教育学部DP(1)】

「健康」における内容の関連性及び小学校の教科等とのつながりを理解し、幼稚園教育における評価の考え方を理解できる。【2018教育学部DP(1)】

指導案の構造を理解し、具体的な保育を想定した指導案を作成することができ、模擬保育とその振り返りを通して、保育を改善する視点を持つことができる。【2018教育学部DP(2)】

【評価割合 - 筆記試験《%》】
0
【評価割合 - 実技試験《%》】
0
【評価割合 - レポート《%》】
20
【評価割合 - 平常評価(授業への参加・貢献度)《%》】
20
【その他(授業内課題等)《具体的内容》】

模擬保育・指導案

【評価割合 - その他(授業内課題等)《%》】
60
【テキスト】

武藤隆著「事例で学ぶ保育内容領域健康」萌文書林

【参考図書】

幼稚園教育要領、幼保連携型認定こども園教育・保育要領

講義時に適宜紹介する。