授業科目名 配当年次 開講期間 所要単位 必修・選択 担当者名
保育内容(人間関係) 2 後期 2 選択 伊藤 理絵


【授業の目的と概要】

情報化、核家族化、少子高齢化など現代社会の変化の中で子どもたちを取り巻く環境は、著しく変化し、それらは基本的生活習慣の欠如、コミュニケーション能力の不足、運動能力の低下、自制心や規範意識の不足等、子どもの育ちの変化として表れてきている。本授業では、原題において求められている人との関わりの能力をどのように育て、その習得をいかに支援していったらよいのかについて、幼稚園教育要領及び、保育所保育指針に示されている領域(人間関係)の内容から(発達)の問題と関連付けて明らかにしていく。

また、受講者自身の人間関係能力の向上に留意し、子どもの人間関係に関わる力を育てる指導者・保育者として何を考え、何をなすべきかを学生自身が理解することをめざす。

【授業の方法】

演習方式で授業を行う。

ディスカッションとグループワークでは、積極的に自分の意見を発表し、異なる意見については否定をせずに、幼児教育・保育の基本を基盤にして話し合う力を修得することを目指す。

【各回のテーマ】

第1回 人と関わる力を養う保育とは

第2回 生活と遊びを通して育つ人とかかわる力(1):0・1・2歳児の事例分析

第3回 生活と遊びを通して育つ人とかかわる力(2):3歳以上児の事例分析

第4回 0・1・2歳児の人間関係(1):子どもの姿を捉える

第5回 0・1・2歳児の人間関係(2):指導案の作成

第6回 3歳児の人間関係

第7回 4歳児の人間関係

第8回 5歳児の人間関係

第9回 発達を踏まえた人間関係の指導案(1):年間計画と月案の作成

第10回 発達を踏まえた人間関係の指導案(2):週案の作成

第11回 発達を踏まえた人間関係の指導案(3):日案の作成

第12回 人と関わる力を養う教材の活用(1):規範意識・道徳性の芽生えの視点から

第13回 人と関わる力を養う教材の活用(2):集団づくりの視点から

第14回 模擬保育(1):0・1・2歳児の保育実践と評価

第15回 模擬保育(2):3歳以上児の保育実践と評価

【各回の内容】

第1回 領域「人間関係」の基礎知識について要領・指針のポイントを理解する。

第2回 3歳未満児の事例分析を通して、保育所保育指針・幼保連携型認定こども園教育・保育要領を理解する。

第3回 3歳以上児の事例分析を通して、保育所保育指針・幼保連携型認定こども園教育・保育要領を理解する。

第4回 3歳未満児の保育に関する事例検討を行う。

第5回 3歳未満児の事例から、次の日の自由遊びの日案を作成する。

第6回 3歳児における安定した関係の中で共に過ごす喜びについて、観察演習を行う。

第7回 4歳児における自己主張と自己抑制について、観察演習を行う。

第8回 5歳児における協同して遊び・学ぶ・活動することについて、観察演習を行う。

第9回 領域「人間関係」の観点から年間計画と月案を作成する。

第10回 領域「人間関係」の観点から週案を作成する。

第11回 領域「人間関係」の観点から日案を作成する。

第12回 社会生活における望ましい習慣や態度の形成と道徳性・規範意識の芽生えを育む教材を工夫する。

第13回 一人ひとりを生かした集団づくりを育む教材を工夫する。

第14回 3歳未満児の指導案を発表、実践し、振り返りを行う。

第15回 3歳以上児の指導案の発表、実践し、振り返りを行う。

【事前・事後学習】

1.課題や復習を行う際には、これまでの実習やボランティアで子ども同士のかかわり方、保育者と子どものかかわりを観察し、記録したことを、領域「人間関係」の観点から分析し、人間関係の指導法について考えるようにする(15回の授業を通して45時間程度)。

2.予習や復習、課題を行う際は、テキスト・配布資料・新聞記事・インターネット等で調べ、自分の考えを自分の言葉でまとめるようにする(15回の授業を通して15時間程度)。

【課題に対するフィードバックの方法】

授業で出す課題は、授業への参加・貢献度に関わるものとする。回収した課題については、添削・採点の上で返却する。課題レポートや筆記試験は、授業内で出題するので、提出期限日までの質問に対しては解説する。

【授業の到達目標】

幼児教育・保育の5領域を理解した上で、保育内容「人間関係」の全体構造を説明できる。DP(1)

乳幼児期の人間関係の発達を踏まえて、事例を分析・考察できる。DP(1)(2)

保育内容「人間関係」の視点からの指導案作成や模擬保育等を通して、保育を計画・実践・評価・改善することができるようになる。DP(1)(2)(3)

保育者として子どもの人と関わる力を養う上で必要な教材および情報機器の活用法を理解し、実践に取り入れる工夫ができる。DP(1)(2)

保育内容「人間関係」と小学校以降の生活や教科等との関連性や保育実践の動向について考え、実践に取り入れることができる。DP(1)(2)

【評価割合 - 筆記試験《%》】
40%
【評価割合 - 実技試験《%》】
【評価割合 - レポート《%》】
30%
【評価割合 - 平常評価(授業への参加・貢献度)《%》】
30%
【その他(授業内課題等)《具体的内容》】

【評価割合 - その他(授業内課題等)《%》】
【テキスト】

無藤隆(監修)『事例で学ぶ保育内容<領域>人間関係 改訂版』(萌文書林,2018年)

幼稚園教育要領,保育所保育指針,幼保連携型認定こども園教育・保育要領(いずれも平成29年告示)

【参考図書】

文部科学省『幼稚園教育要領解説』(平成30年)

厚生労働省『保育所保育指針解説』(平成30年)

内閣府・文部科学省・厚生労働省『幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説』(平成30年)

無藤隆(編)『育てたい子どもの姿とこれからの保育-平成30年度施行幼稚園保育所認定こども園新要領・指針対応-』(ぎょうせい,2018年)