授業科目名 配当年次 開講期間 所要単位 必修・選択 担当者名
音楽基礎 1 前期 2 必修 夏目 佳子


【授業の目的と概要】

音楽学習におけるピアノ演奏は、音楽を感得する方法として有効的な手段である。単に作品の音楽性を学習・感得するだけでなく、子どもに音楽を指導する際、音楽的な指針・方法を与えてくれる。特に、保育の際、弾き歌いをしたり、リズム表現をしたり、子どもの歌を聴かせたりすることは保育上きわめて重要である。そこで、本演習では、子どものための音楽活動を支える基礎技能としてのピアノ技術と音楽理解を深めるための楽典を学習する。初心者はバイエル教則本修了程度、経験者は様々な音楽作品を通して音楽性を高める。同時に、どうしたら自分の力でピアノ演奏技術を高めていけるか道筋を示すことにある。

【授業の方法】

演習形式と、講義形式で行う。

クラス内発表では、グループワーク形式で行う。互いの演奏での気づきを話し合うことで、ピアノ演奏表現の本質の理解に繋げる。

【各回のテーマ】

第1回 オリエンテーション、進度調査

第2回 個人レッスン課題・楽典(1)楽譜の基本

第3回 個人レッスン課題・楽典(2)音の三要素

第4回 個人レッスン課題・楽典(3)音楽の三要素①

第5回 個人レッスン課題・楽典(4)音楽の三要素②

第6回 個人レッスン課題・楽典(5)音程と長音階①

第7回 個人レッスン課題・楽典(6)音程と長音階②

第8回 個人レッスン課題・楽典(7)まとめ①

第9回 個人レッスン課題・楽典(8)派生音と反復記号

第10回 個人レッスン課題・クラス内発表、楽典(9)調号と近親調の音階

第11回 個人レッスン課題・楽典(10)さまざまな楽譜と楽語

第12回 個人レッスン課題・楽典(11)和音

第13回 個人レッスン課題・楽典(12)コードネームの理解

第14回 個人レッスン課題・楽典(13)コードネームの実践

第15回 個人レッスン課題・クラス内発表、楽典(14)まとめ②

【各回の内容】

第1回 講義の概要・注意事項(受講ルール,教室,電子楽器の使い方)について説明する。楽譜と演奏の基本を学習する。個々の音楽経験調査を行い、進度に合わせて選曲する。

第2回 初心者はバイエル44番から始める。正確な拍を習得する。経験者は進度に合わせて選曲する。楽典⑴=楽譜。楽譜とは何か。ピアノ演奏にあたって必要な楽譜の基本について説明する。

第3回 バイエル「8分音符の練習」を選曲し、両手奏法に慣れ、スラーを意識したレガート奏法を習得する。経験者は進度に合わせて選曲する。楽典(2)=音の三要素(高さ・強さ・音色)について学習。高さと強さについて楽譜上での書き方を学ぶ。音名を扱う。

第4回 バイエル45番を選曲し、両手交互の動きに慣れ、運指を習得する。経験者は進度に合わせて選曲する。楽典(3)=音楽の三要素①。リズム・メロディー・ハーモニーについて学習。リズムの書法として楽譜の定量的記譜法(16分音符~全音符)と2/4、3/4、4/4について学ぶ。

第5回 バイエル46番を選曲し、コードの基本を理解する。経験者は、進度に合わせて選曲する。楽典(4)=音楽の三要素②。リズムの書法としての楽譜の定量的記譜法(付点音符)と休符について学ぶ。

第6回 バイエル47番を選曲し、バスの動きと役割を理解する。経験者は進度に合わせて選曲する。楽典(5)=音程と長音階①。全音と半音について学び、ハ長調の音階を理解する。階名を学ぶ。

第7回 バイエル48番を選曲し、付点のリズムをリズムを楽典と演奏から理解する。経験者は進度に合わせて選曲する。楽典(6)=音程と長音階②。単音程について学習し、音階の中の音程の関係を理解する。主音・属音・下属音を学ぶ。

第8回 クラス内発表を行う。互いの演奏で気づいた内容について話し合うことで、ピアノ演奏表現の本質の理解につなげる。楽典(7)=まとめ①第7回までの内容を総括する。

第9回 バイエル49番を選曲し、3拍子からくる音楽の流れを感じ取る。経験者は進度に合わせて選曲する。楽典(8)=派生音と反復記号。①♯♭♮の意味を理解する。反復記号を理解する。

第10回 バイエル50番を選曲し、右手の滑らかな運指、レガート奏法を練習する。経験者は進度に合わせて選曲する。楽典(9)=調合と近親調の音階。調合の書き方・意味を理解し、音階を学ぶ。移動ドで階名が読めるようにする。

第11回 バイエル51番を 選曲し、バスの音の動きからフレーズを理解する。経験者は進度に合わせて選曲する。楽典(10)=さまざまな楽譜と楽語。楽譜に書かれている情報をまとめ、そのみ読み方を総括する。

第12回 バイエル52番を選曲し、8分の6拍子の音楽の流れを理解する。経験者は進度に合わせて選曲する。楽典(11)=和音。長三和音・短三和音、属三和音を学び、主要三和音を理解する。

第13回 バイエル55番を選曲し、アルベルティ・バスの伴奏形を習うとともに、ヘ音記号の楽譜に慣れる。経験者は進度に合わせて選曲する。楽典(12)=コードネームの理解。コードネームの基本を理解し、読めるようにする。

第14回 バイエル58番の中から選曲し、コードとアルベルティ・バスの関係を理解する。経験者は進度に合わせて選曲する。楽典(13)=コードネームの実践。やや複雑なコードネームも理解できるようにし、簡単なコードは演奏できるようにする。

第15回 試験を想定して、学習成果をクラス内で発表をして、音楽的な理解を深める。楽典(14)=まとめ②。第14回までの内容を整理・総括する。

【事前・事後学習】

第1回目の授業に、経験者は最後に練習した楽譜を持ってくる。初心者や現在楽譜を持っていない学生は、持ってこなくてよい。

予習・復習がきわめて重要である。毎回の授業課題を踏まえて練習を重ね、授業の臨む。自分が弾いている曲の模範演奏を聴くと参考になる。楽典の授業課題は必ず行い提出する。

【課題に対するフィードバックの方法】

提出された課題(楽典)は添削の上返却して、まとめて翌週フィードバックし、全体で共有する機会を持つ。

クラス内発表(ピアノ演奏)は、その時間に全体で課題を共有し表現理解につなげる。

【授業の到達目標】

初心者はバイエル教則本修了程度、経験者はさまざまな音楽作品を通して音楽性を高めることができる。

保育士・幼稚園教諭・小学校教員として必要な基礎的な音楽的能力を高めることができる。

【評価割合 - 筆記試験《%》】
25
【評価割合 - 実技試験《%》】
50
【評価割合 - レポート《%》】
【評価割合 - 平常評価(授業への参加・貢献度)《%》】
10
【その他(授業内課題等)《具体的内容》】

楽典のプリント

【評価割合 - その他(授業内課題等)《%》】
15
【テキスト】

『標準バイエル教則本』全音楽譜出版(初心者)

小林美実『こどものうた200』チャイルド社

学習進度に合わせた教材を選択する(経験者)

【参考図書】

必要に応じて、ピアノ演奏に関する楽譜・図書を紹介する。

必要に応じて、資料を配布する。