授業科目名 配当年次 開講期間 所要単位 必修・選択 担当者名
小児保健論 1 後期 2 選択 尚 爾華


【授業の目的と概要】

子どもの特徴は成長と発達にあり、おとなとはまったく異なった生理と病態を示す。胎児期から新生児期、乳児期、幼児期の心身の特徴や発育過程の基本の知識を修得することが必要である。基本的な小児保健の知識と考え方を修得し、小児保健の役割・制度、家庭や地域との関係を理解すると共に、子ども一人一人の健康的な成長発達を援助することができるようになることを目標とする。

【授業の方法】

講義形式で行う。授業内容に応じて、グループワークとプレゼンテーションを実施する。

【各回のテーマ】

第1回 .ガイダンス―小児保健の目的と意義

第2回 胎児の成長―体内環境の影響

第3回 小児の成長―身体発育の特徴

第4回 小児の発達―脳・感覚器

第5回 発達の評価

第6回 小児の消化・吸収、乳児期の栄養

第7回 幼児期の栄養、学童期・思春期の栄養

第8回 小児の心理、知能、情緒、社会性の発達とその保健

第9回 乳幼児の日常生活における保健指導

第10回 子どもの感染症及び染色体異常

第11回 子どもの主な症状と救急処置

第12回 障害児の保健指導

第13回 児童虐待とその対策

第14回 児童福祉、乳児院と里親制度

第15回 まとめ

【各回の内容】

第1回 小児保健の目標、内容、現状及び今後取り組むべき課題について学習する。

第2回 胎児の成長、胎盤の役割、赤ちゃんのデータ、胎内環境の影響(低体重児のリスク要因)について学習する。

第3回 発育・成長・発達の概念、発育期の区分、小児の身体発育の特徴(スキャモン発育曲線)、カウプ指数、成長の影響因子について学習する。

第4回 小児の精神機能の発達(認知、言語、情緒、行動)、運動の発達(粗大運動、微細運動)について学習する。

第5回 各年齢の発達評価テスト、発達評価指数、乳幼児健康診断について学習する。

第6回 母乳の栄養(母乳と牛乳の違い、母乳の利点と問題点、母乳の与え方)、人工栄養、混合栄養、離乳(離乳の必要性、離乳食)について学習する。

第7回 .幼児期の食事の特徴、学童期・思春期の栄養及び食生活の問題点について学習する。

第8回 人格の発達と母子関係、人格の形成、対人関係(大人との関係、子供どうしの関係、)について学習する。

第9回 食事、睡眠、衣服、遊び、排尿・排便、入浴の日常生活における保健指導の方法について学習する。

第10回 各種ウイルス感染症(はしか、風疹、日本脳炎、インフルエンザ、ウイルス性肝炎)、各種細菌性感染症(ブドウ球菌感染症、大腸菌感染症)について学習する。染色体異常(ダウン症、性染色体異常)について学習する。

第11回 バイタルサイン、緊急を要する症状(心配停止、ショック、呼吸困難、意識障害)、一般の症状(発熱、咳)の特徴、家庭での処置、重症度の判断につい学習する。

第12回 知的障害児、肢体不自由児、聴覚障害児、視覚障害児、病弱児の保健指導について学習する。

第13回 .児童虐待の現状、児童虐待による身体状況と精神症状、早期発見とその対応について学習する。

第14回 映像教材を視聴し、児童福祉施設や里親制度について学習する。

第15回 全体のまとめをする。

【事前・事後学習】

授業前に事前に配布されたプリントを熟読し、関連する内容を予習すること(2時間程度)。授業後にノートを整理し、振り返りシートを記入すること(2時間程度)

【課題に対するフィードバックの方法】

課題レポート・小テストは翌週フィードバックし、解説とともに解答例を提示し、全体で共有する。

【授業の到達目標】

胎児期から新生児期、乳児期、幼児期の心身の特徴や発育過程の基本が理解できる。児童虐待問題、障害児への保健指導について理解できる。【2019人間健康学部DP(1)】

小児の発達を評価し、異常時の判断ができる。【2019人間健康学部DP(2)】

【評価割合 - 筆記試験《%》】
60
【評価割合 - 実技試験《%》】
0
【評価割合 - レポート《%》】
0
【評価割合 - 平常評価(授業への参加・貢献度)《%》】
20
【その他(授業内課題等)《具体的内容》】

授業時間内で中間テスト(7回目)と期末プレゼンテーション(14回目)を行う。

【評価割合 - その他(授業内課題等)《%》】
20
【テキスト】

随時資料を配布する。

【参考図書】

水野 清子 「子どもの食と栄養 改訂第2版 健康なからだとこころを育む小児栄養学」 診断と治療社

竹内 義博 「よくわかる子どもの保健[第2版] (やわらかアカデミズム・「わかる」シリーズ) ミネルヴァ書房