授業科目名 | 配当年次 | 開講期間 | 所要単位 | 必修・選択 | 担当者名 |
---|---|---|---|---|---|
人間と福祉 | 1 | 後期 | 2 | 選択必修 | 丸岡 利則 |
【授業の目的と概要】 |
---|
本講義は、「人間の生活」を中心に、社会に生きる人間の生活の内実を福祉の活動との関連から理解する。人間の生活という場合の人間像は、実際の福祉活動から知ることができるものであり、それは、その人間が営んでいる生活をよりよいものにするために、自分の生活の回復に向けて、さまざまな事態に対処しようとするということに核心がある。福祉活動と呼ばれる経験的内容を整理し、人間観と哲学、思想の世界の人間観との関連、特に生活における利用者の将来像と自己像、そして、その自立の関連を深く理解することが目的である。 |
【授業の方法】 |
講義形式で授業を行う。授業の内容に応じて、ディスカッションおよびグループワークを取り入れる。 |
【各回のテーマ】 |
第1回 人間の生活と社会福祉 第2回 ソーシャル・カウンセリングと福祉の活動 第3回 人間と福祉の論理・視点・概念枠組み 第4回 人間と福祉の原点(福祉の論理の転換) 第5回 人間の生活困難の内容と人間関係 第6回 人間関係と社会関係 第7回 システムとしての人間の生活 第8回 社会福祉の視点と知識 第9回 人間と福祉の知識の定着と確認 第10回 社会福祉の論理と福祉サービス 第11回 対処の構成要素 第12回 人間の生活と福祉活動の知識基盤 第13回 人間の対処と福祉サービス 第14回 社会福祉の目的と任務 第15回 「人間と福祉」の基盤としての福祉的人間観 |
【各回の内容】 |
第1回 人間の生活の条件変更や組み替えに直面する人間の対処の過程における相談援助について学ぶ 第2回 福祉のカウンセリング、クライエントとの人間関係、相談援助の内容を理解する 第3回 人間と福祉の問題意識と生活課題へ学問的な方向性を検討する 第4回 人間の生活困難、生活条件とそれへの対処、イメージされる相談援助についての知識を構想する 第5回 関係を営む活動としての人間の生活の意味を把握する 第6回 社会関係の経験的内容として社会関係の類型から人間の社会的機能を考察する 第7回 エコシステムから人間の営む生活を探求し、生活を成り立たせる条件を検討する 第8回 人間の生活がもつ安定的な持続性と発展的サイクル性を損なう生活障害を生活困難とする観点を確認する 第9回 人間の対処を知ること、その知識を用いて人間の状態を知れるようにし、その知識を確かめる方法を持つことを一貫として学び、習う。 第10回 生活困難の説明的理解と現実的で個別的解決の概念枠組みを考える 第11回 対処の構成要素を相互関係や評定・タスク・スキルから明確にする 第12回 「人間の生活」と生活困難、福祉の役割、福祉の機能、相談援助、ソーシャルワーク活動などを関連づけて、その相互関連を位置づける「地図」の作成を追求する 第13回 媒介変数としての「人間の対処」を「サービスが対処を促す機能」と「その過程を支援する、あるいは協力する機能」から理解する 第14回 福祉活動の任務の設定が社会福祉の役割に対する理解によって異なることを踏まえながら、可能性としての「ケイパビリティ」を「社会資源」のなかの「関係的資源」として把握する 第15回 福祉活動の任務の遂行についての「対処」の状況を説明的、理解的に知ることのできる知識系を構想し、その全体像を福祉的人間観から整理する |
【事前・事後学習】 |
1.社会環境、人間関係、身体的・健康要因、パーソナリティ要因などの論点を根拠づける経験的内容の事例集をできるだけ多く読むこと(2時間) 2.福祉についての「ものの見方や考え方」を理解するための課題レポートを作成する(2時間) |
【課題に対するフィードバックの方法】 |
レポートは、添削・採点の上返却する。また筆記試験は、解説とともに解答例を提示する。 |
【授業の到達目標】 |
福祉活動における生活困難にある人間が、その事態に積極的に対処することを促し、その対処の過程を個別的に支援する専門的知識を理解することができる。【2018人間健康学部DP(1)】 社会福祉活動についての人間の生活困難を実際に解決する知識と方法を学ぶことができる。【2018人間健康学部DP(1)】 |
【評価割合 - 筆記試験《%》】 |
50 |
【評価割合 - 実技試験《%》】 |
0 |
【評価割合 - レポート《%》】 |
40 |
【評価割合 - 平常評価(授業への参加・貢献度)《%》】 |
10 |
【その他(授業内課題等)《具体的内容》】 |
なし |
【評価割合 - その他(授業内課題等)《%》】 |
なし |
【テキスト】 |
使用しない |
【参考図書】 |
岡村重夫(1983)『社会福祉原論』(全国社会福祉協議会) 船曳宏保(1993)『社会福祉学の構想』(新評論) |