授業科目名 配当年次 開講期間 所要単位 必修・選択 担当者名
教育心理学実験実習 2 後期 1 選択 橘 廣


【授業の目的と概要】

教育の営みをより効果的に推進するために、教育心理学の従来の知見や技術から、その方法を体得することは重要であると思われる。この授業では、教育場面でよく使用される検査をとりあげ、適切な検査の実施、結果の解釈ができるように体験的に学習する。また、実験・調査者およびその参加者となり、実験法、調査法、観察法、検査法の基本を体験的に学習することを目的とする。この授業では、少人数のグループに分かれ、テーマを決定し、実験計画を立て、データを収集・分析し、結果をまとめ発表する。毎回の授業で報告書を各自提出する。

【授業の方法】

実習形式で授業を行う。

グループワークやディスカッションを取り入れ、実験・調査結果についてプレゼンテーションを行う。

【各回のテーマ】

第1回 オリエンテーション、S-HTPの実施・分析

第2回 S-HTPの解釈、子どもの心の危機

第3回 教育現場の心理検査、YGの実施・分析

第4回 コンピュータ制御による実験

第5回 観察法(パズル解決過程)の実施・分析

第6回 実験法(手指操作の実験)の実施・分析

第7回 調査法(項目作成)の実施、グループ分け

第8回 グループでの実験・調査の計画

第9回 実験・調査の実施

第10回 実験・調査の実施

第11回 データ分析

第12回 グループごとの発表・討論

第13回 グループごとの発表・討論

第14回 結果の解釈上の留意点

第15回 この実習のまとめ

【各回の内容】

第1回 授業の方針と全体の流れを理解する。また教育現場でよく使用されるS-HTPを実施・分析し報告書を提出する。

第2回 S-HTPの解釈法を理解し、1997年と1981年の小学6年生のS-HTP法による描画テストを比較し、子どもの心の危機について意見をまとめ報告書を提出する。

第3回 教育の現場で役立つさまざまな心理検査を知り、その中のYG性格検査を実施・分析し、課題をまとめ報告書を提出する。

第4回 コンピュータ制御による実験を体験し、報告書を提出する。

第5回 観察法の体験として、観察法の基礎的な事柄を学習した後、パズルを協同で解く際の相互作用を別室よりカメラ撮影し分析する。観察者と観察対象者を体験し、報告書を提出する。

第6回 実験法の体験として、実験法の基礎的な事柄を学習した後、ペグボード・KAPLA・ダイスなどを使用した手指操作の実験の実施・分析を行い、結果と考察をまとめ、報告書を提出する。

第7回 調査法の体験として、項目作成上の注意点など基礎的な事柄を学習した後、個人あるいはグループで質問項目を作成し、各自報告書を提出する。関心のあるテーマを考え、実験あるいは調査のグループ分けをする。

第8回 実験あるいは調査の実施計画を立て、予備的な実験・調査を行い、報告書を各自提出する。

第9回 個人あるいはグループで実験・調査を行い、他のグループの実験・調査の参加者にもなる。経過をまとめた報告書を各自提出する。

第10回 個人あるいはグループで実験・調査を行い、他のグループの実験・調査の参加者にもなる。経過をまとめた報告書を各自提出する。

第11回 実験・調査から得られたデータを分析し、各自報告書を提出する。

第12回 個人あるいはグループで発表し討論を行う。報告書を各自提出する。

第13回 個人あるいはグループで発表し討論を行う。報告書を各自提出する。

第14回 結果の解釈上の留意点などを確認し、理解を深める。個人あるいはグループで発表し討論を行う。報告書を各自提出する。

第15回 この実習のまとめを行い、レポートを作成し提出する。

【事前・事後学習】

事前学習として、参考図書などを基に、授業で示した重要なキーワードについて、2時間程度の予習をして授業に臨む。

事後学習として、体験的に学習した実験法・調査法・観察法・検査法について、配布資料や参考図書を基に学習し理解を深める。また各自が工夫して実施する実験あるいは調査において、例えば実施計画、実験・調査の準備、データ分析、発表準備など、2時間程度の学習をする。

【課題に対するフィードバックの方法】

毎回授業時に提出された報告書は、まとめて翌週フィードバックし、全体で共有する。

【授業の到達目標】

問題意識を持った教育心理学的テーマで実験・調査を実施し、得られたデータから問題の解決策を探求できる。【2018人間健康学部DP(2)】

主体性をもって多様な人々と協働して学び、知識とスキルを基に地域貢献につながる研究ができる。【2018人間健康学部DP(3)】

【評価割合 - 筆記試験《%》】
0
【評価割合 - 実技試験《%》】
0
【評価割合 - レポート《%》】
60
【評価割合 - 平常評価(授業への参加・貢献度)《%》】
10
【その他(授業内課題等)《具体的内容》】

毎回授業時の提出物

【評価割合 - その他(授業内課題等)《%》】
30
【テキスト】

適時資料を配布する。

【参考図書】

中沢潤他著『心理学マニュアル 観察法』北大路書房

鎌原雅彦他著『心理学マニュアル 質問紙法』北大路書房

心理学実験指導研究会編『実験とテスト=心理学の基礎』培風館

三沢直子著『描画テストに表れた子どもの心の危機』誠信書房