授業科目名 配当年次 開講期間 所要単位 必修・選択 担当者名
カウンセリング基礎演習 3 前期 2 選択 肥田 幸子


【授業の目的と概要】

 カウンセリング基礎演習はカウンセリング演習と通年で履修することを原則とする。

 実際に模擬カウンセリングを行うことで、カウンセリング技術や対人関係能力を身につける。この授業は、心理専門職を目指す学生だけでなく、例えば、保育士や障害者指導員のように広く対人関係が重要な職種を目指す学生の、基本的なカウンセリング技術の習得を目的とする。

【授業の方法】

 演習では、全員が模擬カウンセリングを行ない、カウンセラー及びクライエントの心の動きを体験学習する。受講生はそれをDVDに収録し、応答の検討を行う。加えて毎回、カウンセリング技術を段階的に講義し、その回のケースに現れたトピックスを解説する。以上の内容を講義・演習形式で行う。規定の報告書を毎回提出する

【各回のテーマ】

第1回 ガイダンス

第2回 模擬カウンセリングと討議1組 まずは話を聴く

第3回 模擬カウンセリングと討議2組 非言語要素(1)姿勢、位置、雰囲気

第4回 模擬カウンセリングと討議3組 非言語要素(2)表情、あいづち 

第5回 模擬カウンセリングと討議4組 ラポールを作るために(1)言葉遣い

第6回 模擬カウンセリングと討議5組 ラポールを作るために(2)心を開くとは

第7回 模擬カウンセリングと討議6組 ラポールを作るために(3)理解

第8回 模擬カウンセリングと討議7組 ラポールを作るために(4)共感

第9回 模擬カウンセリングと討議8組 カウンセリングの技法(1)クライエントに分かったことを伝える。

第10回 模擬カウンセリングと討議9組 カウンセリングの技法(2)繰り返し

第11回 模擬カウンセリングと討議10組 カウンセリングの技法(3)質問

第12回 模擬カウンセリングと討議11組 カウンセリングの技法(4)質問

第13回 模擬カウンセリングと討議12組 カウンセリングの技法(5)支持

第14回 模擬カウンセリングと討議13組 カウンセリングの技法(6)支持

第15回 まとめ

【各回の内容】

第1回 カウンセリングの基本的態度。演習の流れと遵守事項の解説。受講生の発表日の決定。分析室での機器操作の説明。

第2回 録画されたDVDとそれを逐語記録におこした資料によって模擬カウンセリングの検討を行う。以降、毎回、順番に実施する。

第3回 カウンセラーとクライエントの位置や姿勢、目線から醸し出される雰囲気。

第4回 カウンセラーの表情やうなずき、あいづちによって場面はどう変わるか。

第5回 日常会話との違いをはっきりと意識する。

第6回 相手の心を開いて聴く。相手が何を伝えたいのかまずは分かりたいと思うこと。

第7回 自分の価値観で応答せずに相手の立場を理解しようとすること。

第8回 クライエントの気持ちを理解しようとすること。

第9回 クライエントの見ている世界を確認する。

第10回 意味への応答、感情への応答、事柄への応答

第11回 質問をすることでカウンセリングが進むとき、横道にそれるとき、中断するとき。

第12回 開かれた質問、閉じられた質問の使い方。

第13回 クライエントの出来ているところや成長したところを認める。

第14回 支持と保証の違い。

第15回 カウンセリング基礎演習のまとめと振り返り。

【事前・事後学習】

 事前授業としてカウンセリングルームでカウンセラー役とクライエント役で模擬カウンセリングを行い、DVDに録画する。指定された授業の日までに、録画したものを検討しやすい文章になおしてくる必要がある。事前授業は毎回ではないが、3,4時間を要する。

 事後授業としては毎回のテーマをまとめる。1時間程度。

【課題に対するフィードバックの方法】

毎回、講義後に小レポート(小テスト)が実施されるが、それらは採点され次回の授業の冒頭で全体に講評する。優良なレポートは紹介し、詳細な検討を加える。これらの時間は前回の復習と当日授業の導入として使われる。

【授業の到達目標】

カウンセリングの基本的な態度(姿勢・視線・相づち等)を身につける。(2018年度人間健康学部DP.2)

関係性の構築のために受容や共感を表現することができる。(2018年度人間健康学部DP.3)

関係性の構築のために徹底した他者理解の姿勢が示せる。(2018年度人間健康学部DP.3)

カウンセリングにおける質問の仕方の重要性を理解する。(2018年度人間健康学部DP.3)

クライエントを十分に支持し、安心を与えることができる。(2018年度人間健康学部DP.3)

【評価割合 - 筆記試験《%》】
0
【評価割合 - 実技試験《%》】
0
【評価割合 - レポート《%》】
0
【評価割合 - 平常評価(授業への参加・貢献度)《%》】
100
【その他(授業内課題等)《具体的内容》】

【評価割合 - その他(授業内課題等)《%》】
0
【テキスト】

テキストは使用せず、授業内容に応じて資料を配付する。

【参考図書】

ジェラードイーガン著、カウンセリング・テキスト、創元社