授業科目名 配当年次 開講期間 所要単位 必修・選択 担当者名
発達心理学 2 前期 2 選択必修 橘 廣


【授業の目的と概要】

社会に適応し、能力を最大限に生かし、生き生きと生活する方法を検討するためには、生涯を見通した広い視野が必要である。この授業では、生涯発達心理学について、胎児期から老年期までの各発達段階の新しい知見や理論を紹介しながら、各発達段階の特徴とその関連性を考察していく。講義では、脳科学や心理学の知見から、胎児期から幼児期の発達を基盤とし、脳の発達および活性化、社会適応、虐待、発達障害、自我同一性の発達、心理的危機などを学習する。発達に影響を与える諸要因を理解し、発達をサポートするために必要な事柄の把握を目的とする。

【授業の方法】

講義形式で授業を行う。

授業の内容に応じて、グループワークやディスカッションを取り入れて行う。

【各回のテーマ】

第1回 この講義の目標

第2回 胎児期のさまざまな能力

第3回 乳幼児期の脳の発達と親子関係

第4回 乳幼児期の諸発達を促す遊び、教育

第5回 発達障害(障害のある子どもたちの理解)

第6回 乳幼児虐待

第7回 児童期における認知発達

第8回 児童期の諸問題

第9回 自我同一性の発達

第10回 青年期の諸問題

第11回 恋愛と結婚

第12回 親になること

第13回 社会適応

第14回 中年期から老年期の諸問題

第15回 この講義のまとめ

【各回の内容】

第1回 生涯発達心理学の考え方、その研究法、授業の方針と全体の流れを理解する。

第2回 胎児期のさまざまな能力、胎児へのタバコやアルコールの影響を知り、理解を深める。また出生時から医療を必要とする新生児の増加について考える。

第3回 ピアジェの発達理論を理解する。急激な脳の発達がみられる乳幼児期における親子のコミュニケーションの重要性について理解を深める。

第4回 乳幼児期の諸発達を促す遊び、特に脳の前頭前野の機能を活性化する遊びについて理解を深め、その遊びを体験する。

第5回 発達障害など障害のある子どもたちの理解と支援を考える。

第6回 虐待を受けると子どもにどのような影響があるのか、脳への影響や心身の発達遅滞を知り、理解を深める。

第7回 メタ認知能力の発達について理解を深める。

第8回 児童期の諸問題、特に学校への適応、劣等感、いじめ、テレビの影響などについて考える。

第9回 エリクソンの発達理論について理解し、特に青年期の課題である自我同一性の獲得について考える。

第10回 青年期の諸問題、特に孤立や社会参加の遅延などについて調査結果より考える。

第11回 配偶者の選択と結婚、家族の機能、家族関係の諸問題、「遠ざかる結婚」現象などについて考える。

第12回 親の養育態度と子どもの性格形成、子育ての楽しさとつらさ、仕事と育児の両立などを考える。

第13回 ストレスと不適応、過剰適応、マズローの欲求の階層説などを理解する。

第14回 中年期から老年期の諸問題、特に自我同一性の再確立、空の巣症候群、自殺、高齢者の犯罪などについて考える。

第15回 本講義のまとめを行う。また理解度のチェックのための試験を行う。

【事前・事後学習】

事前学習として、胎児期から老年期までの各発達段階に抱えやすい心理的な問題に関するニュース記事や参考図書などを基に、主要なキーワードについて、授業前までに2時間程度の予習をしたうえで授業に臨む。

事後学習として、復習をするとともに講義の終わりに提示した課題について2時間程度の学習をする。

【課題に対するフィードバックの方法】

課題に対しては、まとめて翌週フィードバックし、全体で共有する機会を持つ。また小テストは、テスト終了時に解説する。

【授業の到達目標】

幼児、児童及び生徒の心身の発達及び学習の過程を説明することができる。【2018人間健康学部DP(1)】

胎児期から老年期までの発達的な人間理解を基に、発達をサポートするために必要な事柄を把握し実践の場で活用できる。【2018人間健康学部DP(1)】

胎児期から老年期までの発達的な人間理解を基に、発達をサポートするために必要な事柄について問題意識を持ち解決策を探求できる。【2018人間健康学部DP(2)】

【評価割合 - 筆記試験《%》】
60
【評価割合 - 実技試験《%》】
0
【評価割合 - レポート《%》】
0
【評価割合 - 平常評価(授業への参加・貢献度)《%》】
10
【その他(授業内課題等)《具体的内容》】

毎回授業時の提出物

【評価割合 - その他(授業内課題等)《%》】
30
【テキスト】

適時資料を配布する。

【参考図書】

無藤隆・岡本祐子・大坪治彦編 『よくわかる発達心理学』 ミネルヴァ書房

内田伸子編 『よくわかる乳幼児心理学』 ミネルヴァ書房