授業科目名 配当年次 開講期間 所要単位 必修・選択 担当者名
学習心理学 2 後期 2 選択必修 橘 廣


【授業の目的と概要】

心理学では、経験によって生じる比較的永続的な行動や知識、態度、考え方などの変化を「学習」と呼んでいる。人間は日常生活の中で絶えず学習をしており、学習のメカニズムを知ることは人間を理解するうえで重要である。この授業では、人や動物の学習行動の基本的なメカニズムを中心に、記憶に関する基本事項、動機づけなどを概説する。情報処理のメカニズムについて理解し、自らの効果的な学習への応用や、学習をサポートするうえで学習指導に応用できることを目的とする。

【授業の方法】

講義形式で授業を行う。

授業の内容に応じて、グループワークやディスカッションを取り入れて行う。

【各回のテーマ】

第1回 この講義の目標

第2回 古典的条件づけ

第3回 オペラント条件づけとプログラム学習

第4回 洞察学習

第5回 発見学習

第6回 連合理論と認知理論

第7回 社会的学習理論

第8回 学習の動機づけ

第9回 原因帰属

第10回 記憶のメカニズムと効果的な記憶法

第11回 創造性、ブレインストーミングとKJ法

第12回 技能学習

第13回 心身の障がいと学習

第14回 教育現場での応用

第15回 この講義のまとめ

【各回の内容】

第1回 授業の方針と全体の流れを理解する。「学習」の定義について理解し、日常生活での学習、失敗から学習することの意義について考える。

第2回 連合理論から、パブロフの古典的条件づけについて知り、日常生活での例を考える。

第3回 連合理論から、スキナーのオペラント条件づけとプログラム学習について知り、日常生活での例を考える。

第4回 連合理論のソーンダイクの試行錯誤説について理解する。認知理論のケーラーの洞察説について理解する。

第5回 認知理論から、トールマンのサイン・ゲシュタルト説、レヴィンの場の理論を知る。また認知理論の学習指導法であるブルーナーの発見学習を理解する。

第6回 連合理論と認知理論の内容を確認し、その違いを理解する。

第7回 伝統的な学習理論とは異なるバンデューラの社会的学習理論を知り、観察学習を理解する。

第8回 外発的動機づけと内発的動機づけの違いを知り、長期的な動機づけや効果的な学習について理解を深める。

第9回 日常生活の中で行動の結果の原因をどこに求めるか、成功と失敗の原因帰属に関する理論を知り、動機づけを高める方法を考える。

第10回 記憶のメカニズムを知ることで、より効率のよい学習や記憶法について理解を深める。

第11回 創造性とは何か、また集団での創造性開発技法であるブレインストーミングやKJ法について理解を深める。

第12回 運動技能の学習についての三段階説などを知り、自ら現場で応用できるように理解を深める。

第13回 心身の障がいと学習、その中でも特に学習障害について理解を深める。

第14回 さまざまな学習理論のまとめを行い、教育現場で応用できるよう確認する。

第15回 本講義のまとめを行う。また理解度のチェックのための試験を行う。

【事前・事後学習】

事前学習として、講義で示した重要な心理学用語について、授業前までに2時間程度の予習をしたうえで授業に臨む。

事後学習として、復習をするとともに、講義の終わりに提示した課題について2時間程度の学習をする。

【課題に対するフィードバックの方法】

課題は、まとめて翌週フィードバックし、全体で共有する機会を持つ。また小テストは、テスト終了時に解説する。

【授業の到達目標】

人間行動の基盤となる学習の基本的なメカニズムを説明できる。【2018人間健康学部DP(1)】

効果的な学習や学習指導上の課題に活用できる。【2018人間健康学部DP(1)】

学習をサポートするために必要な事柄について、問題意識を持ち解決策を探求できる。【2018人間健康学部DP(2)】

【評価割合 - 筆記試験《%》】
60
【評価割合 - 実技試験《%》】
0
【評価割合 - レポート《%》】
0
【評価割合 - 平常評価(授業への参加・貢献度)《%》】
10
【その他(授業内課題等)《具体的内容》】

毎回授業時の提出物

【評価割合 - その他(授業内課題等)《%》】
30
【テキスト】

適時資料を配布する。

【参考図書】

授業の中で適宜紹介する。