授業科目名 配当年次 開講期間 所要単位 必修・選択 担当者名
教育学概論 1 前期 2 選択必修 丹下 悠史


【授業の目的と概要】

「教育における理論的基底の基礎」をテーマとする。

教育に関する基礎的な概念、子ども、家族、教師といった教育の主要構成要素を理解し、日本および諸外国の学校教育の歴史をその思想的背景と共に考察することを通して、教師として教育活動に従事する上で必要な教育学の基礎を身につけることを目指す。

【授業の方法】

講義形式で行う。授業の内容に応じて、ディスカッションおよびグループワークを取り入れる。

【各回のテーマ】

第1回 本授業の概要、教育学の基本的諸概念

第2回 学校・教師・家庭と子どもの成長・発達の関係

第3回 子どもと教育の歴史(1):学校の誕生と学校教育の諸要素

第4回 子どもと教育の歴史(2):家族と社会による子どもの教育

第5回 子どもと教育の歴史(3):現代社会における教育課題

第6回 近代の代表的教育家の思想(1):コメニウスの教育思想:近代学校の構想、第1回小テスト

第7回 近代の代表的教育家の思想(2):ルソーの教育思想:家庭で子どもをどう育てるか

第8回 近代教育制度の成立と展開

第9回 近代の代表的教育家の思想(3):ヘルバルトの教育思想:教授・学習の理論知

第10回 近代の代表的教育家の思想(4):デューイの教育思想:主体的・対話的な学びを支える理論

第11回 日本の教育制度の展開(1):明治期・大正期・戦時期の教育、第2回小テスト

第12回 日本の教育制度の展開(2):戦後教育改革から1970年代まで

第13回 日本の教育制度の展開(3):1980年代以降の教育

第14回 教育の現代的課題

第15回 本授業のまとめ

【各回の内容】

第1回 本講義を受講する上でのルールを確認する。教育、形成、発達、学習といった教育学における基本的な概念の意味を理解する。

第2回 子どもの成長・発達に関する理論を知り、その主要な環境である学校・家庭の影響を考察する。

第3回 近代学校の誕生の背景・展開を知り、現代の学校教育との共通点/相違点を考察することで、学校教育の特質を問い直す。

第4回 家族や地域社会およびそれらが教育に与える影響の変遷を学ぶ。

第5回 現代社会における子どもを取り巻く環境・子どもの生活の変化を理解し、教育の課題を考察する。

第6回 コメニウスの教育思想を確認し、彼による近代学校の構想の歴史的意義を理解する。※授業の初めに第1回〜第5回の内容に関する小テストを行う

第7回 ルソーの教育思想を確認し、自らが持つ子どもの教育観を問い直す。

第8回 ヨーロッパおよび日本における近代学校制度の成立過程を確認し、これまでに学んだ教育者や思想家の担った歴史的意義を考察する。

第9回 ヘルバルトの教育思想を確認し、教授・学習を理論的にとらえることの意義や限界を考察する。

第10回 デューイの教育思想を確認し、人間の経験と学習が有する意味への理解を深める。

第11回 明治期から戦時期までの日本の教育の歴史を振り返り、社会における教育の役割を考察する。※授業の初めに第6回〜第10回の内容に関する小テストを行う

第12回 戦後教育改革から1970年代までの日本の教育の歴史を振り返り、教育政策の理念的背景を考察する。

第13回 1980年代以降の教育改革のテーマとその特質を理解し、現代の日本が抱える教育課題を考察する。

第14回 教育をめぐるグローバル課題について考察する。

第15回 これまでの学習内容を振り返り、教育に関する理念、思想、歴史について理解できているかを確認する。

【事前・事後学習】

事前学習として、テキストまたは参考書から次回の講義内容に関連する箇所を指定し、当日までに2時間程度の学習(読解・要約)を課す。

事後学習として、講義の終わりに提示した問いに対し、授業内容およびテキスト、参考書を参照して2時間程度で自分なりの解答をまとめることを課す。

【課題に対するフィードバックの方法】

小テストは、採点の上で返却し、解答例と解説を示す。

期末の筆記試験は、実施後、共有フォルダに解答例と解説を示す。

【授業の到達目標】

教育観や子ども観の変遷について理解し、説明することができる。【2019人間健康学部DP(1)】

日本と西洋における教育理論および教育制度の展開と代表的論者を理解し、説明することができる。【2019人間健康学部DP(1)】

現在の学校が抱える課題に対する自分の意見を他者に述べることができる。

【評価割合 - 筆記試験《%》】
60
【評価割合 - 実技試験《%》】
0
【評価割合 - レポート《%》】
0
【評価割合 - 平常評価(授業への参加・貢献度)《%》】
20
【その他(授業内課題等)《具体的内容》】

授業内に行う小テスト。第6回目と第10回目の授業に、それまでに行った授業内容に関する確認テストを行う。

【評価割合 - その他(授業内課題等)《%》】
20
【テキスト】

適宜配布する。

【参考図書】

木村元・小玉重夫・船橋一男著、教育学をつかむ、有斐閣

今井康雄編、教育思想史、有斐閣