授業科目名 | 配当年次 | 開講期間 | 所要単位 | 必修・選択 | 担当者名 |
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救急処置法 | 2 | 前期 | 2 | 選択 | 谷村 祐子 |
【授業の目的と概要】 |
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不慮の事故や急病になった場合は、医療機関に着くまでの適切な応急処置が重要である。そのため市民ができる一次救命処置や各種の応急手当に関する基本的な知識・技術・態度を学習する。とくに学校、スポーツ施設、福祉施設などをはじめ、人が大勢集まる場所で働こうと考えている人は、応急処置の方法を身につけていることが望ましい。 ここでは、市民が行うことのできる急を要する処置方法と、学校や家庭のなかで起こりやすい傷病・症候の応急処置について学ぶことを目的とする。 |
【授業の方法】 |
講義・演習・実技形式で授業を行う。現実的に遭遇しうる傷病・症候や救急処置に対しての授業の中で学んだことを参考にグループワークでディスカッションし、プレゼンテーションをする。 |
【各回のテーマ】 |
第1回 オリエンテーション(救急処置論の概要、日本の救急医療の現状) 第2回 応急処置のための観察・生命兆候の観察と実態 第3回 意識障害の観察と評価・心肺停止とは 第4回 呼吸循環の仕組み 第5回 心肺停止の判断・心肺蘇生のCAB 第6回 市民が行う応急処置1 第7回 一次救命処置の演習 第8回 市民が行う応急処置2 第9回 学校保健 第10回 傷病に対する応急処置ー演習1 第11回 傷病に対する応急処置ー演習2 第12回 体温の調整(熱中症・低体温症・発熱) 第13回 災害医療 第14回 中毒・異物に対する応急処置と医薬品 第15回 まとめ |
【各回の内容】 |
第1回 オリエンテーション、救命の連鎖と応急手当、救急処置法に関する用語、応急処置について、一般医療と救急医療の違い、救急医療の変遷、救急車の運用について、救急法救急員の資格取得について学ぶ 第2回 救命の連鎖、迅速な応急手当、応急手当のための観察、全身の観察、生命徴候の観察及び実際を学ぶ 第3回 意識の確認、意識障害の観察・評価、救急蘇生法の重要性を学ぶ 第4回 呼吸循環のしくみ(生体に必要な栄養と酸素、循環、脳の関与、生命の維持)を学ぶ 第5回 心肺停止の判断、心肺停止の病態(心停止、呼吸停止、心電図について)、心肺蘇生法のABC(気道の確保、人工呼吸、心臓マッサージ)を学ぶ 第6回 傷害の手当の基本、開放性傷害及び応急手当(傷の手当の実際)、非開放性傷害・打撲・重症外傷(鈍的外傷)、骨折の分類、非開放性・開放性骨折の分類・観察・応急手当・固定・合併症・治癒機転を学ぶ 第7回 市民が行う応急処置、除細動について、一次救命処置の演習(練習用AEDを用いた救急処置法)を行う 第8回 皮膚の構造と生理、熱傷の受傷状況、熱傷の受傷面積、熱傷の深度とその特徴、熱傷の病態、熱傷の応急手当を学ぶ 第9回 家庭や学校での傷害、学校の保健室、(学校医、学校薬剤師、養護教諭)、学校で生じる事故を学ぶ 第10回 傷害・傷病に対する応急処置についてディスカッションする 第11回 傷害・傷病に対する応急処置についてプレゼンテーションを行う 第12回 体温調節のしくみ、体温の変動要因、熱中症の分類と病変、熱中症の応急手当、熱中症の代表的な冷却法、熱中症の予防、低体温症とは、低体温症の応急手当、発熱のメカニズム、発熱の原因となる疾患、発熱の伴う随伴症状、発熱時のケアを学ぶ 第13回 災害・そのとき、近年国内における災害事例、災害の種類、災害医療とは、災害医療体制、搬送法について、搬送の準備・方法を学ぶ 第14回 主な中毒の種類、日本中毒情報センター、代表的な中毒起因物質(医薬品、農薬など)、急性中毒の診断、急性中毒の応急手当、異物について、気道異物の要因、気道異物の観察及び応急手当、消化管異物の要因及び応急手当、医薬品とは何か、医薬品の区分、薬理作用による影響とその要因、薬の薬物動態、医薬品についての教育を学ぶ 第15回 全体のまとめ |
【事前・事後学習】 |
1.授業の理解を深めるために、シラバスに関わる内容を確認し、専門用語を予め調べておくこと(2時間程度)。 2.傷病などの応急手当を理解するためには、人間の体に関する知識(解剖学・生理学)が必要となるので、既に学んだ資料を大切にし、活用するため自身でまとめておくこと(2時間程度)。 3.日本赤十字社などが実施している「救急法救急員」の講習を受講することが望ましい。 |
【課題に対するフィードバックの方法】 |
提出課題を分析し、受講者の間違えやすい点を授業内で解説する. |
【授業の到達目標】 |
傷病者に対する生命徴候の観察ができ、一次救命処置の基本的な知識と手技を身につけることができる【2018人間健康学部DP(2)】 傷病・症候(傷害、熱傷、熱中症、急性中毒、異物、発熱)に対する応急手当の知識を習得することができる【2018人間健康学部(1)】 |
【評価割合 - 筆記試験《%》】 |
40 |
【評価割合 - 実技試験《%》】 |
10 |
【評価割合 - レポート《%》】 |
0 |
【評価割合 - 平常評価(授業への参加・貢献度)《%》】 |
20 |
【その他(授業内課題等)《具体的内容》】 |
自身でまとめた「応急処置・救急処置のマニュアルブック」を作成する. |
【評価割合 - その他(授業内課題等)《%》】 |
30 |
【テキスト】 |
適宜、資料を配布する。 |
【参考図書】 |
小林國男『好きになる救急医学』講談社 山本保博、他『アトラス応急処置マニュアル』南江堂 渡邊隆夫、他『コメデカルのための救急医学』医学出版社 |