授業科目名 配当年次 開講期間 所要単位 必修・選択 担当者名
地域コミュニティ論 2 後期 2 選択 今瀬 政司


【授業の目的と概要】

全国各地で「自治と協働による地域づくり」が活発になっている。この授業では、地域コミュニティにおける新しい「地域自治」と「協働」の取組みについて、具体的な事例を交えて理論的かつ実践的に学ぶ。「地域自治」は、町内会等が抱える課題や市町村合併の影響によって、新しい地域自治組織を作る動きが活発になっており、その現状・課題を学ぶ。「協働」は、そのあり方と必要性の理解を踏まえた上で、NPO(民間非営利組織)と行政・企業の協働事業の現状・課題を学ぶ。自治と協働で必要な「自治権」(市民主権・地域主権)についても併せて学ぶ。担当教員は、シンクタンク企業や民間非営利組織10団体以上に所属して、地域コミュニティに関わる実践活動や国・自治体の政策形成に携わってきていることから、その具体的な実務経験を紹介することで、リアリティを持って実践イメージを持てるようにする。

【授業の方法】

講義形式。実践的な学習に重点を置いて、具体的な活動事例、日々の時事問題や雑学、受講者の問題意識やニーズに関連した事柄などについて積極的に取り上げて、知識・ノウハウを深める。事例学習はシラバスの各回テーマ・内容欄の記載以外にも各回必要に応じて行う。本講義ではテキストの第2章、第3章、第4章1を主に学ぶ(テキストの第1章、第4章2・3、第5章は「非営利組織論」の授業で主に学ぶ)。

【各回のテーマ】

第1回 オリエンテーション

第2回 地域の自治(1):地域団体の現状・課題

第3回 地域の自治(2):市町村合併の現状・課題

第4回 地域の自治(3):新しい地域自治政策の現状

第5回 地域の自治(4):新しい地域自治政策の課題

第6回 地域の自治(5):地域自治の事例

第7回 前半授業の振り返りと掘り下げ

第8回 地域の協働(1):協働の概念と必要性

第9回 地域の協働(2):NPOと行政の協働政策

第10回 地域の協働(3):協働事業の事例

第11回 地域の協働(4):求められる協働契約

第12回 地域の協働(5):企業のCSRと協働事業

第13回 地域の自治権(1):市民主権と地域主権

第14回 地域の自治権(2):自治権獲得・喪失の事例

第15回 後半授業の振り返りと掘り下げ

【各回の内容】

第1回 授業の内容・進め方等、地域コミュニティの自治と協働

第2回 自治会・町内会、商店街、子供会、老人会等の地縁組織やNPO・ボランティア団体等の現状・課題

第3回 市町村合併によって変わる地域コミュニティの現状・課題

第4回 各地で進むコミュニティ合併と新しい地域自治組織の現状・課題

第5回 行政主導の新たな地域自治組織の課題と住民自治による地域コミュニティの再構築

第6回 市町村合併を行った地域と行わなかった地域の自治の事例、新しい地域自治組織を作った事例等

第7回 授業とテキスト等での学びの振り返りと掘り下げ、ミニレポートでの質問・意見への回答コメント

第8回 協働とは何か、協働がなぜ必要か、NPO(民間非営利組織)と行政と企業の協働のあり方

第9回 NPOと行政の協働事業の現状・課題、あらゆる事業で必要な「協働性の原則」

第10回 協働による地域づくりの成功事例と失敗事例

第11回 従来の委託事業と補助事業、協働の課題を解決して推進させる協働契約の仕組み

第12回 企業の社会貢献と社会的責任(CSR)、企業とNPOの協働の現状・課題

第13回 市民主権と地域主権に基づく自治と協働、自治権を持った地域コミュニティ構築の現状・課題

第14回 沖縄における自治権(市民主権・地域主権)の獲得と喪失の歴史・現状

第15回 授業とテキスト等での学びの振り返りと掘り下げ、ミニレポートでの質問・意見への回答コメント

【事前・事後学習】

事前にテキスト等を読んでおき(2時間程度)、事後に授業での学びとテキスト・参考文献等での学びを整理すること(2時間程度)。授業中にしっかりとメモ(ノート)を取った上で、学んだことを自身の言葉でしっかり整理すること。学んだことを実社会での出来事と照らし合わせるとともに、そこから、自らの疑問や興味に応じて様々な手段で学びを深めること。自身で調べても分からない疑問等は、積極的に教員に質問・意見等をすること。

【課題に対するフィードバックの方法】

毎回の授業で質問や意見等をミニレポートとして積極的に出してもらい、次回以降に回答等をフィードバックする。質問や意見等は授業中の他、研究室等で柔軟に受け付ける。

【授業の到達目標】

地域コミュニティにおける「地域自治」と「協働」の現状・課題について理解・説明できる【2018全学共通DP(1)】

「自治と協働による地域づくり」の具体的な取組みをイメージ・説明できる【2018全学共通DP(1)】

「自治権」(市民主権・地域主権)の現状・課題について理解・説明できる【2018全学共通DP(1)】

【評価割合 - 筆記試験《%》】
0
【評価割合 - 実技試験《%》】
0
【評価割合 - レポート《%》】
70
【評価割合 - 平常評価(授業への参加・貢献度)《%》】
30
【その他(授業内課題等)《具体的内容》】

特になし

【評価割合 - その他(授業内課題等)《%》】
0
【テキスト】

今瀬政司(2011)『地域主権時代の新しい公共 希望を拓くNPOと自治・協働改革』学芸出版社(本講義では本テキストの第2章、第3章、第4章1を主に学習する。)

【参考図書】

テーマに関連した参考文献や実践的な活動情報等を必要に応じて授業中に紹介する。