授業科目名 配当年次 開講期間 所要単位 必修・選択 担当者名
人間健康特講IV 3 後期 2 選択 西尾 敦史


【授業の目的と概要】

シェアリングエコノミー研究

シェアリングエコノミーとは、個人で十分に活用できていない物・サービス・場所などを、多くの人と共有・交換して利用する社会的な仕組みのことである。近年、大量生産大量消費、環境破壊の経済に対して、持続可能な経済活動のあり方として注目を集め、またそのサービスも飛躍的に発展しています。本授業では、シェアリングエコノミーの理論、実際の活用、少子高齢化・人口減少が続く地域社会への効果など、シェアリングエコノミーがこうした現代社会に影響を与えることのできる機能や可能性について考えていく。

【授業の方法】

講義を中心にすすめるが、各回の課題(ワーク)テーマについてアイディア出しのグループワークを行ったり、意見発表や共有のためのディスカッションを行う。

【各回のテーマ】

第1回 シェアリングエコノミーとは何か

第2回 シェアリングエコノミーの実際(近年の広がり)

第3回 他人と暮らす(シェアハウスの現在)

第4回 シェアリングエコノミー各論(1)空間のシェア

第5回 シェアリングエコノミー各論(2)移動のシェア

第6回 シェアリングエコノミー各論(3)時間・スキルのシェア

第7回 シェアリングエコノミー各論(4)旅の体験シェア

第8回 空き家の利活用の展開

第9回 地方創生・まちづくり、福祉ニーズ解決への可能性

第10回 諸外国のシェアリングエコノミー(欧米)

第11回 諸外国のシェアリングエコノミー(アジア)

第12回 シェアリングシティ~自治体の取り組み

第13回 シェアリングエコノミーの経済思想

第14回 シェアリングエコノミー普及に向けての課題

第15回 授業のふりかえりとまとめ

【各回の内容】

第1回 人と人との信頼関係が成り立つ上で行われる個人主体の経済社会、ともに助け合う共助の社会を創造する手立てとしてのシェアリングエコノミーを概観する。

第2回 古くて新しい「シェア」の価値観と近年の世界的な広がり、経済としての拡大の最新状況について概観する。

第3回 シェアハウスが広がってきており、空き家を利活用したシェアハウスは、「地方創生」にも貢献できる。「多世代共生型シェアハウス」の試みも広がってきており、シェアハウスの現状と課題について学ぶ。

第4回 Airbnb:インバウンドの旅行・観光の拠点として利用が広がっているAirbnbは、空き部屋や不動産等の貸借をマッチングするオンラインプラットフォームである。Airbnbの経済効果、私たちの家計への効用について学ぶ。

第5回 Uber:Uberは、スマートフォンやGPSなどのICTを活用し、移動ニーズのある利用者とドライバーをマッチングさせるサービスで、欧米や中国で飛躍的に広がっている。Uberの経済効果、地域ニーズへの効用について学ぶ。

第6回 AsMama:子育てと仕事の両立のため、経済的負担は少なく、しかも信頼できる人に一時的に子どもを預けたい―。こうした悩みを抱える子育て世代に支持を受け、全国で拡大している「AsMama(アズママ)」について学ぶ。

第7回 TABICA:地域の「ひと」だからこそ提供できる「いま、ここ、でしか体験できない地域体験」を求めるユーザーと地域の「ひと」をつなぐ、地域の暮らし体験型マッチングサービスの経済効果、地域ニーズへの効用について学ぶ。

第8回 空き家が増加しており、資源として有効な利活用が期待されています。コミュニティのつながりづくり、地域経済の活性化につながっているリノベーションの事例を学習する。

第9回 シェアリングエコノミーが地方創生、地域マネジメント、あるいは少子高齢化などの進展によって高まっている生活上の課題、福祉ニーズ解決の手がかりにもなっている。シェアリングエコノミーのもつ可能性について検討する。

第10回 オランダ・アムステルダムのシェアリングエコノミーの事例を取り上げ、検討する。

第11回 中国で広がるシェアリングエコノミーの諸相について検討する。

第12回 佐賀県多久市、長崎県島原市 シェアリングシティ宣言を行っている九州の二つの市の自治体としての取り組みを学ぶ。

第13回 シェアリングエコノミーの共有する経済思想として、カール・ポランニー、宇沢弘文、神野直彦の思想を概観し、その思想的な意味について考える。

第14回 シェアリングエコノミーが普及しない理由として、サービスに対する信頼性がある。サービスの評価制度、認証制度、また事故などに対する保険などについて学習する。

第15回 授業をふりかえり、シェアリングエコノミーのもつ可能性を考える。

【事前・事後学習】

各回の授業の課題テーマに関して、配布資料を参考に、書籍、メディアやインターネットなどで情報を収集し、関連する知識を得ておく(2時間)。

各回の授業後、課題テーマに対する意見共有・ふりかえりを踏まえて、自分自身の意見・見解をまとめておく(2時間)。

【課題に対するフィードバックの方法】

毎回の授業の課題テーマに関する意見発表・全体での共有・ふりかえりを踏まえて、コメントを行う。次週の授業において、次のテーマへの関連する視点やポイントについて提示する。

【授業の到達目標】

シェアリングエコノミーの機能やその効用について理解できる。【2018人間健康学部DP(3)】

シェアリングエコノミーを自身や周囲の生活の中で、問題解決に活かすことができる。【2018人間健康学部DP(1)】

【評価割合 - 筆記試験《%》】
0
【評価割合 - 実技試験《%》】
0
【評価割合 - レポート《%》】
50
【評価割合 - 平常評価(授業への参加・貢献度)《%》】
20
【その他(授業内課題等)《具体的内容》】

各回の授業の課題テーマに対する意見

【評価割合 - その他(授業内課題等)《%》】
30
【テキスト】

資料を配布する(インターネットによる)。

【参考図書】

一般社団法人シェアリングエコノミー協会(2017)『はじめようシェアリングビジネス』日経ムック

内閣官房シェアリングエコノミー促進室(2017)「シェア・ニッポン100~未来へつなぐ地域の活力~シェアリングエコノミー活用事例集(平成29年度版)」 https://cio.go.jp/share-nippon-100_H29

総務省「情報通信白書」http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/