「主体的・対話的な学びを実現する教育方法」をテーマとする。

教育方法の基盤となる教授や学習に関わる諸理論を理解し、今日的な指導技術、評価法、教材の活用法等を身につけることを通して、生徒の深い学びを実現させる授業を計画、実施する能力の基礎を身につけることを目的とする。

講義形式で行う。授業の内容に応じて、ディスカッションおよびグループワークを取り入れる。

第1回 オリエンテーション・よい授業とは何か

第2回 教育目標論の展開：求められる資質・能力の変遷

第3回 教授・学習の理論（１）：教育方法の基礎理論とそれにもとづく実践

第4回 教授・学習の理論（２）：主体的・対話的で深い学びの実現のために

第5回 授業の構成要素と教育方法の原理

第6回 学習指導論（１）：教材の選択・解釈

第7回 学習指導論（２）：授業の基礎的な技術：話法・発問・板書

第8回 学習指導案の作成（１）：指導案の書き方：目標・内容・教材・指導の展開

第9回 学習指導案の作成（２）：指導案作成の実施

第10回 学習指導案の作成（３）：発表と相互評価

第11回 情報機器と教材（１）：情報機器を活用した教材の作成・提示

第12回 情報機器と教材（２）：情報活用能力・情報モラルを育成する指導法

第13回 授業研究と評価（１）：授業研究と教師の成長

第14回 授業研究と評価（２）：授業分析による学びの可視化と評価

第15回 本授業のまとめ

第1回 はじめに講義の趣旨、内容、評価等について説明する。よい学びを成立させる授業の要件とは何か、各自が経験を振り返りながら考察する。

第2回 教育目標論の展開を学び、現代社会に求められる資質・能力とは何かを考察する。

第3回 教育方法の基礎理論（行動主義・構成主義・社会的構成主義）とそれにもとづく実践方法を学ぶ。

第4回 発見学習、プログラム学習等の学習方法について理解し、それらの意義や課題を考察する

第5回 生徒・教師・教材・学習環境と指導法といった授業の基本構成要素とそれらの関係について理解を深める。

第6回 教材の選択・解釈の仕方を学ぶ。「である」教材と「になる」教材の活用法を考察する。

第7回 授業の基礎的な技術：話法・発問・板書について理解を深める。

第8回 模擬授業に向けて、指導案の書き方（生徒観・教材観・指導観・指導の展開）を理解する。

第9回 模擬授業に向けて、前回の内容を生かして指導案を作成する。

第10回 受講生による模擬授業と相互評価を行う。

第11回 情報機器を活用した教材の作成・提示の方法を学び、ICTの教育利用の意義と課題を考察する。

第12回 情報社会と呼ばれる現代の情報利用に関する諸課題を理解し、情報活用能力・情報モラルを育成する指導法を考察する。

第13回 授業研究を中心とした授業改善の取り組みや、教師の成長との関わりを理解する。

第14回 授業研究のプロセスの一部である授業分析による学びの可視化や、その応用としての学習評価の方法を理解する。

第15回 これまでの学習内容を振り返り、教育の方法についての理解度や課題を明確化する。

事前学習として、テキストまたは参考書から次回の講義内容に関連する箇所を指定し、当日までに2時間程度の学習（読解・要約）を課す。

事後学習として、講義の終わりに提示した問いに対し、授業内容およびテキスト、参考書を参照して2時間程度で自分なりの解答をまとめることを課す

毎回の授業で回収するコメントシートを適宜授業において紹介する。

期末の筆記試験は、実施後、共有フォルダに解答例と解説を示す。

学校教育の目標、方法、評価に関する基礎的理論を体系的に説明できる。

教育活動の特質に応じて適切な指導法を選択し学習指導案を作成できる。

情報機器の特性を理解し教育目的に応じて活用すべき場面や活用法を判断できる。

授業内課題（学習指導案の作成、模擬授業など）

授業中に適宜資料を配布する

佐藤学著、教育方法学、岩波書店

田中耕治ほか著、新しい時代の教育方法、有斐閣

秋田喜代美・キャサリン・ルイス編著、授業の研究、教師の学習、明石書店