「教育の制度的・経営的側面とその今日的課題」をテーマとする。

日本の公教育制度および学校教育制度の歴史と基本的な枠組みを理解し、その具体的な取り組みを教育経営の視点から考察し、学校安全や地域との連携といった今日的課題を把握することにより、経営的視点をもつ専門的職業人の基礎を身につけることを目指す。

講義形式で行う。授業の内容に応じて、ディスカッションおよびグループワークを取り入れる。

第1回 本授業の概要、公教育制度の理念と原理

第2回 近代教育制度の成立と展開

第3回 公教育制度を構成する教育関係法規の基礎

第4回 教育行政の理念と仕組み（１）：中央教育行政の組織と運営

第5回 教育行政の理念と仕組み（２）：地方教育行政の組織と運営

第6回 教育行政の理念と仕組み（３）：教育制度をめぐる諸課題

第7回 経営的視点から見た学校（１）：公教育の目的実現のための学校経営

第8回 経営的視点から見た学校（２）：教育活動のPDCAサイクルと学校評価

第9回 経営的視点から見た学校（３）：学級経営の仕組みと効果的な方法

第10回 経営的視点から見た学校（４）：教職員や学校外の関係者・機関との協働

第11回 地域の中の学校（１）：地域社会と学校の連携・協働

第12回 地域の中の学校（２）：開かれた学校づくりの展開

第13回 学校安全の課題（１）：学校の管理下での事件、自己、災害の実情と学校安全の必要

第14回 学校安全の課題（２）：学校安全に関する課題と安全管理・安全教育の取り組み

第15回 本授業のまとめ、地域連携と学校安全

第1回 (1)受講上のルールを確認する。(2)教育経営の諸領域について理解する。(3) 講義に関わる基本用語を確認する。

第2回 日本と諸外国の学校の誕生の歴史的背景やその後の展開について理解する。

第3回 (1)公教育と私教育の違いについて理解する。(2)公教育制度の基本原理(義務性、 無償性、中立性)について理解する。

第4回 中央教育行政の組織と運営に関して、(1)文部科学省の組織と役割について理解する。(2)各種審議会の役割について理解する。(3)日本における教育政策立案・実施プロセスについて理解する。

第5回 地方教育行政の組織と運営に関して、(1)教育行政の地方自治について理解する。(2)教育委員会制度の歴史的展開 と基本特性について理解する。(3)現代の教育委員会制度改革について考察する。

第6回 教育制度をめぐる諸課題を取り上げ、その要因や解決策を議論する。

第7回 (1)学校に配置される職とその役割について理解する。(2)校務分掌の考え方 について理解する。(3)教育機関である学校が組織である必要性について考察する。

第8回 (1)学校評価システムの構造とその展開過程について理解する。(2)教員評価システムの展開と特徴について理解する。(3)学校改善に資する評価活動の在り方について考察する。

第9回 (1)法規定を参照しながら教育の目的・目標を確認する。(2)カリキュラム・マネジメントの考え方を理解する。(3)カリキュラムを核にした学校づくりの方法について考察する。

第10回 (1)学校・教師を取り巻く現代的課題(学級崩壊や教師のバーンアウト等)について理解する。(2)学校経営の観点から課題を解決する方策について考察する。

第11回 地域社会と学校の連携・協働の事例を知り、その望ましいあり方を考察する

第12回 地域と連携した学校教育活動の課題を分析し、よりよい実践の要件を考える。

第13回 学校の管理下での事件、自己、災害の実情と学校安全の必要性を理解する。

第14回 学校安全に関する課題と安全管理・安全教育の取り組みを理解する。

第15回 講義内容を振り返り、学校が抱える様々な課題の解決に向けて、教師として取り組むべきことを自らの課題として考察する。

事前学習として、テキストまたは参考書から次回の講義内容に関連する箇所を指定し、当日までに2時間程度の学習（読解・要約）を課す。

事後学習として、講義の終わりに提示した問いに対し、授業内容およびテキスト、参考書を参照して2時間程度で自分なりの解答をまとめることを課す。

小テストは、採点の上で返却し、解答例と解説を示す。

期末の筆記試験は、実施後、共有フォルダに解答例と解説を示す。

公教育制度の歴史とその基本原理や構造を説明できる。

学校や教育行政機関の役割の理解にもとづき経営的視点からその今日的課題を指摘できる。

学校安全および学校と地域の連携について取り組み事例を挙げ、意義と課題を分析できる。

授業内課題（小テストなど）

授業中に適宜資料を配布する

浜田博文編著、教育の経営・制度、一藝社

市川須美子編、教育小六法、学陽書房