授業科目名 配当年次 開講期間 所要単位 必修・選択 担当者名
会計監査論 3 前期 2 選択 水野 孝彦


【授業の目的と概要】

企業活動の結果は財務諸表に表わされるが、その内容に重要な虚偽が含まれているとしたら、利害関係者の判断を誤らせ、経済的損失を与えてしまうことになる。結果として、経済社会の下支えとなる信頼関係も失われていくことになるとも限らない。

経済的な影響力の大きいような企業に対しては、職業専門家(公認会計士や監査法人)による財務諸表監査が義務づけられ、会計情報の信頼性を担保する仕組みが制度化されている。この授業では、昨今の企業不祥事を背景に充実強化される傾向にある財務諸表監査制度や監査基準について理解を深める。

【授業の方法】

講義形式で授業を行います。

【各回のテーマ】

第1回 会計監査の意義

第2回 公認会計士、監査法人とは

第3回 監査の歴史

第4回 金融商品取引法監査(1) 目的

第5回 金融商品取引法監査(2) 意義

第6回 会社法監査(1) 目的

第7回 会社法監査(2) 意義

第8回 会社法監査(3) 会計監査人による監査

第9回 監査基準(1) 目的

第10回 監査基準(2) 一般基準

第11回 監査基準(3) 内部統制

第12回 監査基準(4) リスク・アプローチ(1)

第13回 監査基準(5) リスク・アプローチ(2)

第14回 監査基準(6) 継続企業の前提の監査

第15回 監査基準(7) まとめ

【各回の内容】

第1回 何のために企業活動の結果である会計情報をチェックする必要があるかについて学びます。

第2回 会計のプロフェッション(職業専門家)である公認会計士、監査法人の役割について学びます。

第3回 監査はいつ頃から行われたのか。財務諸表監査の制度導入について学びます。

第4回 金融商品取引法の目的を理解し、財務諸表監査が制度化されている背景を学びます。

第5回 金融商品取引法における監査制度の役割について理解を深めます。

第6回 会社法において株式会社の監査制度がどのように制度化されているかを学びます。

第7回 会社法において大会社のコーポレート・ガバナンスと監査制度がどのように制度化されているかについて学びます。

第8回 会社法における監査制度において会計監査人が果す役割について学びます。

第9回 公認会計士が財務諸表を監査するうえで遵守すべき監査基準の目的について学びます。

第10回 公認会計士が財務諸表を監査するうえで遵守すべき監査基準における一般基準について学びます。

第11回 財務諸表監査が試査で行われる理由と、その前提となる企業の内部統制に関する評価について理解を深めます。

第12回 財務諸表に対する監査として行われる「リスク・アプローチ」の目的を学びます。

第13回 財務諸表に対する監査として行われる「リスク・アプローチ」の必要性について理解を深めます。

第14回 企業の継続的な存続が疑わしい場合の財務諸表監査について学びます。

第15回 社会における会計監査制度の役割をまとめ、今後の課題について明らかにします。

【事前・事後学習】

準備学習として、シラバスの各回の内容をテキストを読み、分からない用語は調べから授業にのぞむようにしてください(2時間程度)。また、授業後には、テキスト・ノート、参考文献をよく読み、理解を深めておいてください(2時間程度)。また初めて学ぶ専門用語がたくさん出てきますので、正確な意味を理解するためにも、参考書や会計学辞典を活用してください。

【課題に対するフィードバックの方法】

提出課題は、採点(または添削)したうえで返却する。

【授業の到達目標】

社会における公認会計士の必要性について理解し、社会の課題について自らの考えを発信できる【2019経営学部DP(2)】

会計監査の意義について多面的に理解し、社会の課題について自らの考えを発信できる【2019経営学部DP(2)】

【評価割合 - 筆記試験《%》】
50
【評価割合 - 実技試験《%》】
【評価割合 - レポート《%》】
【評価割合 - 平常評価(授業への参加・貢献度)《%》】
50
【その他(授業内課題等)《具体的内容》】

【評価割合 - その他(授業内課題等)《%》】
【テキスト】

吉見宏著『ケースブック監査論』新世社(開講時において最新の版)

【参考図書】

盛田良久・百合野正博・朴大栄著『新版まなびの入門 監査論』中央経済社

盛田良久・蟹江章・長吉眞一『スタンダードテキスト監査論』中央経済社