授業科目名 配当年次 開講期間 所要単位 必修・選択 担当者名
日本経済論 2 前期 2 選択 岩本 光一郎


【授業の目的と概要】

第二次世界大戦後、日本は高度経済成長期を経て世界有数の経済大国となったが、バブル経済崩壊後は周知の通り低迷期が長く続いた。このような流れの中で、これからの日本にとって大切なことは、過去の繁栄を支えてきた要素のうち、どれがこれからも有効に機能しつづけ、他方でどの部分が機能不全に陥っているのかについて冷静に仕分けして、その上でこれからの日本経済に適応する制度や仕組を考えることである。この講義では、日本経済のこれまでと現状をさまざまな角度から客観的に分析し、その上で、これから取り組むべき課題を明らかにしてゆく。

【授業の方法】

黒板を利用した講義形式。毎回、デイリーレポートという講義内容に関するレポートを作成して、講義終了時に提出してもらう。

【各回のテーマ】

第1回 日本経済論とは

第2回 戦後日本経済を振り返る 1: 戦後の混乱と復興

第3回 戦後日本経済を振り返る 2: 高度成長期

第4回 戦後日本経済を振り返る 3: 国際化と貿易摩擦

第5回 戦後日本経済を振り返る 4: バブルとその崩壊

第6回 戦後日本経済を振り返る 5: 構造改革

第7回 総括 1

第8回 経済成長の減速と日本的経済システム

第9回 人口の少子・高齢化と労働市場改革 1: 人口動向の推移

第10回 人口の少子・高齢化と労働市場改革 2: 日本的雇用慣行

第11回 社会保障と税の一体改革

第12回 TPPの意義と農業改革

第13回 アベノミクスと経済成長戦略 1: マクロ経済政策について

第14回 アベノミクスと経済成長戦略 2: 成長戦略について

第15回 総括 2

【各回の内容】

第1回 講義全体を俯瞰し、取り組むべきイシューとその狙いを把握する

第2回 占領・復興期(1945-59年)を概観する

第3回 高度成長期(1960-70年)の発生要因とその屈折について概観する

第4回 1980年代の日本経済の国際化と、海外との経済摩擦について概観する

第5回 1990年代のバブル崩壊の状況を整理し、長期経済停滞が始まった要因を考察する

第6回 2000年以降、近年までの小泉構造改革およびその反動について振り返る

第7回 ここまでの講義(近代日本の経済史)を総括する

第8回 高度成長期後とバブル崩壊後の経済低迷期の相違点について議論する

第9回 少子高齢化を中心とする人口動向の変化と今後の予想推移について概観する

第10回 日本的雇用慣行について、その特徴と正負の両側面を考察する

第11回 公的年金や医療保険の現状を概観し、財政再建の必要性について議論する

第12回 TPPの中身についての理解を深め、農業政策の現状と今後のあるべき姿について議論する

第13回 実施されたマクロ経済政策(金融・財政政策)について概観し、議論する

第14回 制度や規制の改革を通じた成長戦略の中身について理解を深め、議論する

第15回 後半の講義イシューについて振り返り、総括する

【事前・事後学習】

・事前にテキストの該当箇所を読んでおくことを推奨する(2時間程度)。

・事後学習としては自分の書いたデイリーレポートを読み返し、必要があれば修正すること を推奨する(2時間程度)。

【課題に対するフィードバックの方法】

毎回のデイリーレポートについては、次回の冒頭に出題の意図を解説し、回答例を提示する。なおデイリーレポートについては、内容が基準に満たないと判断される場合、再提出を要求する。

【授業の到達目標】

様々な経済事象について自分なりの解釈・評価を行い、これを他者に自分の意見として発信できる。【2018経営学部DP(2)】

【評価割合 - 筆記試験《%》】
40
【評価割合 - 実技試験《%》】
0
【評価割合 - レポート《%》】
0
【評価割合 - 平常評価(授業への参加・貢献度)《%》】
20
【その他(授業内課題等)《具体的内容》】

デイリーレポート

【評価割合 - その他(授業内課題等)《%》】
40
【テキスト】

八代 尚宏「日本経済論・入門 」有斐閣

【参考図書】

小峰隆夫・村田啓子 「最新日本経済入門(第5版)」日本評論社

伊藤元重「ゼミナール現代経済入門」日本経済新聞社