授業科目名 配当年次 開講期間 所要単位 必修・選択 担当者名
地方財政論 3 前期 2 選択 横山 幸司


【授業の目的と概要】

市役所や県庁などの地方公共団体は我々の市民生活に密接な関係を持っています。これらの提供するサービスの質に応じて我々の生活の質が変わるのです。その地方公共団体の活動を支える地方財政は今危機的な状況です。地方財政の仕組みと地方公共団体を取り巻く状況を学び、自分の住む町の財政や行政のあり方、運営の仕方にしっかりとした意見を持てる市民になることを目指します。

【授業の方法】

最初に各自テキストを読む→内容及び自分の意見をまとめる→発表する→教員による解説→質疑応答→小レポートにまとめるという方法で行う。

【各回のテーマ】

第1回 地方財政を学ぶ意義

第2回 国の仕組み、地方の仕組み

第3回 財政の果たす機能と財政の姿

第4回 税の機能と我が国の税制

第5回 教育と地方財政

第6回 保険・医療・介護と地方財政

第7回 地方財政とデフォルト

第8回 地方交付税と財源調整

第9回 公共事業と地方財政

第10回 公共投資と地域振興

第11回 地域と国のかたちを考える

第12回 地域づくりと地方財政

第13回 行政改革と地方財政

第14回 予算編成について考える

第15回 これからの地方財政を考える

【各回の内容】

第1回 あまり馴染みもなくそれゆえ敬遠されがちな地方財政の仕組みについてその果たしている役割を概観する

第2回 車の両輪と言われる国家財政と1800の地方公共団体の活動の総和である地方財政の関わり方について理解する

第3回 現代社会において公共セクターである国家や地方政府が行う経済活動としての財政が我が国社会に果たしている役割について理解する

第4回 財政活動の大本である税の仕組みとそれが果たしている役割を理解し税をもとに展開される財政活動への関心を高める

第5回 教育制度の運営に当たって地方公共団体が果たしている役割と教育委員会制度、いじめ問題など現行システムが抱えている問題点を考える

第6回 国民の安心のもととなっている社会保障システムを支えている地方自生制度の仕組みと問題点さらに将来のあるべき姿について解説する

第7回 デフォルトという財政破綻を生じた諸外国の例や北海道夕張市の状況を省みながら財政運営に際しての国民監視の重要性について考える

第8回 最低限の行政サービスを書くおするために設けられた地方交付税制度。難解だと言われるその仕組みを解説し抱える問題点にせまる

第9回 社会資本整備のために欠かすことのできない公共事業だがその有り様は変貌しつつある。箱物行政から維持補修行政への舵取りができるのか。公共事業の意義と問題を補助事業の持つ問題点を中心に考える

第10回 敗戦の中から我が国はどのように立ち直り復興し今日を築いたのか。戦後の地域振興政策の流れを追い地域振興のためには地方財政はどのような役割を果たしてきたのかを概観する

第11回 戦後社会は中央集権から地方分権へゆっくりながらその歩みを進めてきたが今その流れが変わろうとしている。激動する国際情勢の中で国のかたちはどうあるべきなのかを考える

第12回 東京一極集中の影で力を喪失している地方を活性化するためにどのような方策が考えられるのか。地域活性化と地域づくりの動きを学びそれらと地方財政のあり方を考える

第13回 適正な行政規模を保つためには市民国民の監視注目が不可欠でありそのための判断力を得るための行革のあり方について様々な手法について学んでゆく

第14回 財政運営のもととなる予算変死業務について予算要求、査定、議会審議などの過程を追って学び地元の市町村の予算についての関心を高める

第15回 自らの地域を良くするのも悪くするのも地元の市町村の行政、なかんずく財政運営のよし悪しにかかわってくる。賢い市民になるには何が必要か改めて考える

【事前・事後学習】

事前学習として、次回の講義箇所を指定するので、当日までに読解と要約をして臨むこと。

(1時間程度)

事後学習として、毎回、授業の終わりに小レポートを課すので、良いレポートが書けるように自分なりに構想すること。(1時間程度)

【課題に対するフィードバックの方法】

第5回目と第10回目の小レポートを採点し、フィードバックする。小レポートの評価について解説する。

【授業の到達目標】

企業経営を社会全体との関連で幅広く思考し、多面的な判断の上、自分の考えを発信できる。【2017経営学部DP2】

【評価割合 - 筆記試験《%》】
【評価割合 - 実技試験《%》】
【評価割合 - レポート《%》】
40
【評価割合 - 平常評価(授業への参加・貢献度)《%》】
30
【その他(授業内課題等)《具体的内容》】

授業内に行う小レポート。

【評価割合 - その他(授業内課題等)《%》】
30
【テキスト】

小坂紀一郎「一番やさしい自治体財政の本第2次改訂版」学陽書房

【参考図書】

なし